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iDeCoの掛金を5万円に増額すべき?節税効果と教育費・老後資金を解説

お金

40代、子どもの教育費と老後資金が不安な人へ。2027年のiDeCo掛金は月5万円に増やすべき?節税額と家計への影響を徹底解説

「子どもの教育費を準備しなければいけない。でも、自分たちの老後資金も心配……」

40代になると、そんな悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。

小学生の子どもが2人いれば、これから中学・高校・大学と教育費が増えていきます。一方で、老後の生活費や年金への不安も無視できません。

そんな中、注目したいのが、2026年12月に予定されているiDeCo(個人型確定拠出年金)の制度改正です。拠出限度額が引き上げられることで、これまで以上に老後資金を積み立てやすくなります。

しかし、掛金を増やせば必ず家計が楽になるわけではありません。節税効果が大きくなる一方で、iDeCoには原則60歳まで資金を引き出せないという制約もあります。

この記事では、次のような家計をモデルケースに、iDeCoを月23,000円から30,000円・40,000円・50,000円に増額した場合の節税効果や注意点を解説します。

今回のモデルケース

  • 40代の会社員
  • 額面年収700万円
  • 配偶者は扶養の範囲内でパート勤務
  • 小学生の子どもが2人
  • 住宅ローンあり
  • 預貯金500万〜1,000万円
  • NISAを毎月5万〜10万円積み立て中
  • 現在のiDeCo掛金は月23,000円
  • 大学進学費用はこれから本格的に準備する段階

先に結論をお伝えすると、教育費の準備がこれからという家庭では、最初から月50,000円に増額するよりも、生活防衛資金と教育費の準備状況を確認しながら、月30,000〜40,000円への増額を検討する方法が現実的です。

1.2026年12月のiDeCo制度改正で何が変わる?

2026年12月1日には、iDeCoの拠出限度額の引き上げなどを含む制度改正が予定されています。

企業年金に加入していない会社員の場合、iDeCoの掛金上限は月23,000円から月62,000円に引き上げられる予定です。

ここが重要!

制度改正後に月50,000円まで拠出できるかどうかは、勤務先の企業年金制度などによって異なります。企業型DCや確定給付企業年金(DB)に加入している場合は、会社の掛金などを含めた上限額の確認が必要です。

また、制度改正の施行日と、実際に変更後の掛金が引き落とされる時期は必ずしも同じではありません。SBI証券で手続きをする場合は、公式案内で受付期間・必要書類・反映時期を確認しましょう。

制度の詳細は、厚生労働省「2025年の制度改正」で確認できます。

2.iDeCoを月23,000円から50,000円にすると、掛金はいくら増える?

まず、月23,000円から月50,000円に変更した場合の積立額を比較してみましょう。

掛金の比較

現在の掛金

月23,000円

増額後の掛金

月50,000円


毎月の増額分

27,000円

年間の増額分

324,000円

月50,000円に増額すると、年間の掛金は60万円になります。現在の年間掛金27万6,000円と比べると、年間32万4,000円も積立額が増える計算です。

この32万4,000円は、老後資金を増やすうえで大きな金額です。ただし、教育費などに使う可能性があるお金までiDeCoに回してしまうと、必要なときに困るおそれがあります。

3.iDeCoの節税効果はどのくらい?

iDeCoの大きなメリットは、掛金の全額が所得控除の対象になることです。

所得控除とは、税金を計算するときの所得から一定額を差し引ける仕組みです。課税対象となる所得が減るため、所得税や住民税の負担が軽くなります。

例えば、年間60万円をiDeCoに拠出した場合、原則として60万円全額が所得控除の対象になります。ただし、60万円がそのまま戻ってくるわけではありません。実際の節税額は、所得税率や住民税などによって変わります。

掛金別の年間節税額を比較

今回は、所得税率10%と20%の2つのケースを想定して試算します。住民税率は標準的な10%とし、復興特別所得税も考慮した概算です。

月額掛金 年間掛金 節税額
所得税率10%
節税額
所得税率20%
23,000円 276,000円 約56,000円 約84,000円
30,000円 360,000円 約73,000円 約110,000円
40,000円 480,000円 約97,000円 約146,000円
50,000円 600,000円 約121,000円 約183,000円

※概算です。所得税率10%の場合は掛金に約20.21%、20%の場合は約30.42%を乗じています。実際の節税額は、課税所得、各種所得控除、税額控除などによって変わります。

この表から分かるように、掛金を増やすほど節税効果も大きくなります。ただし、これは掛金を増やしたことによる節税額の増加分と、掛金全体に対する節税額を区別して考える必要があります。

月50,000円にすると、節税額はどれくらい増える?

現在の月23,000円から月50,000円へ増額した場合、追加の掛金は年間32万4,000円です。

増額による追加の年間節税額

約65,500〜98,600円

所得税率10〜20%を想定した試算

所得税率が20%のケースでは、追加の節税額は年間約9万9,000円、月平均では約8,200円です。

ただし、年収700万円だから必ず所得税率20%になるとは限りません。配偶者の収入、社会保険料、生命保険料控除などによって課税所得が変わるため、ご自身の源泉徴収票などをもとに確認することが大切です。

4.税金の軽減を考慮すると、実質負担はいくら?

掛金を増やした場合、家計から出ていくお金がどのくらい増えるのかも気になるところです。

所得税率10%と20%のケースで、増額による追加の節税額を差し引いた実質的な負担増を比較します。

増額後の掛金 実質負担増/月
所得税率10%
実質負担増/月
所得税率20%
30,000円 約5,600円 約4,900円
40,000円 約13,600円 約11,800円
50,000円 約21,500円 約18,800円

※現在の月23,000円から増額した場合の追加負担です。節税効果を12か月で割った概算であり、実際に税金が毎月同額減るという意味ではありません。

所得税率20%のケースなら、月50,000円に増額しても、税負担の軽減を考慮した実質的な負担増は月約18,800円という計算です。

ただし、iDeCoの掛金は毎月引き落とされ、税負担の軽減は年末調整や翌年度の住民税などを通じて反映されます。実際の家計管理では、まず掛金の全額を支払える余裕があるかを確認しましょう。

5.iDeCoを増額するメリット

メリット①:所得税・住民税の負担を軽減できる

iDeCoの掛金は全額が所得控除の対象になります。所得税や住民税を支払っている人にとっては、老後資金を積み立てながら税負担を抑えられる点が大きなメリットです。

特に、長期間にわたって掛金を拠出できる40代では、毎年の節税効果が積み重なっていきます。

メリット②:運用益が非課税になる

iDeCoの運用中に得られた利益は、通常の課税口座とは異なり非課税で再投資されます。

長期間運用する場合、運用益に税金がかからないことは、複利効果を生かすうえで有利に働く可能性があります。

ただし、投資信託などを選ぶ場合は元本割れのリスクがあります。非課税だからといって利益が保証されるわけではありません。

メリット③:老後資金を計画的に確保できる

子どもの教育費や住宅ローンがあると、老後資金の準備は後回しになりがちです。

iDeCoを利用すれば、老後に向けた資金を日常生活費とは別に積み立てられます。将来の生活費や公的年金への不安を軽減するための選択肢になります。

6.iDeCoを増額するデメリットと注意点

デメリット①:原則60歳まで引き出せない

iDeCoの最大の注意点は、原則として60歳まで資産を引き出せないことです。

今回のモデルケースでは、子どもが小学生で、これから中学・高校・大学の教育費が必要になります。進学費用が必要になったときに、iDeCoからお金を引き出して補うことは原則できません。

教育費をiDeCoに入れすぎない

節税効果が大きくても、数年後に使う予定のお金までiDeCoに回すのは避けましょう。教育費や急な出費に備える資金は、預貯金など、必要なときに使える形で確保することが重要です。

デメリット②:住宅ローンや教育費との両立が必要

住宅ローンを返済しながら子ども2人の教育費を準備する場合、将来の支出が増える時期を見据えた資金計画が欠かせません。

月50,000円への増額は、現在より毎月27,000円多く積み立てることになります。節税効果を考慮しても、実質負担は月約1万9,000〜2万2,000円程度になる可能性があります。

この負担が家計を圧迫するようなら、無理に上限近くまで増額する必要はありません。

デメリット③:受け取り時に税金がかかる場合がある

iDeCoは積立時に税制優遇がありますが、受け取る際には受取方法や退職金などの状況によって課税される場合があります。

一時金として受け取る場合は退職所得控除、年金形式で受け取る場合は公的年金等控除などが関係します。退職金が多い場合は、受取時期や方法によって税負担が変わる可能性があるため、受け取りまで見据えて計画することが大切です。

デメリット④:投資商品によっては元本割れする

iDeCoで投資信託を選ぶ場合、株式市場などの値動きによって資産が減少する可能性があります。

掛金を増やすことと、運用商品のリスクを高めることは別の判断です。NISAなどで保有している資産も含め、家計全体の資産配分を確認してから商品を選びましょう。

7.教育費と老後資金を両立するための資金計画

今回のモデルケースでは、預貯金500万〜1,000万円があり、NISAも毎月5万〜10万円積み立てています。資産形成に取り組めている点は大きな強みです。

一方で、大学進学費用はこれから準備する段階です。今後必要になるお金を整理し、老後資金とのバランスを考えることが重要です。

お金の目的ごとに分けて考える

① 生活防衛資金

病気、失業、家電の故障などに備えるお金。生活費の6〜12か月分を一つの目安にし、すぐに引き出せる預貯金で確保します。

② 教育資金

受験料、入学金、授業料、通学費などに備えるお金。必要な時期が決まっているため、使う時期が近づくほど値動きの大きい資産に偏らないようにします。

③ 老後資金

60歳以降の生活費に備えるお金。長期で使わない資金をiDeCoやNISAなどで準備します。iDeCoは所得控除のメリットがある一方、原則60歳まで引き出せない点に注意します。

このように資金の目的を分けて考えると、iDeCoにいくら回せるか判断しやすくなります。

NISAは売却して現金化できるため、iDeCoより柔軟に使える制度です。ただし、売却時の価格は市場状況によって変動します。教育費のうち近い将来に使う予定の分まで、株式中心の投資で準備することには注意が必要です。

8.月30,000円・40,000円・50,000円、どれがおすすめ?

ここまでの内容を踏まえて、今回の家計で考えられる3つの選択肢を整理します。

選択肢①:月30,000円

教育費の準備を優先しながら、老後資金も増やしたい人向け。

  • 現在より月7,000円増額
  • 年間の掛金は36万円
  • 追加の節税効果は年間約17,000〜25,500円
  • 実質負担増は月約4,900〜5,600円

増額による家計への影響を抑えやすく、まず一歩進めたい場合に検討しやすい金額です。

選択肢②:月40,000円

節税と老後資金の積立を強めながら、現金の余力も残したい人向け。

  • 現在より月17,000円増額
  • 年間の掛金は48万円
  • 追加の節税効果は年間約41,000〜62,000円
  • 実質負担増は月約11,800〜13,600円

教育費用の積立を続けながら、毎月の家計にも十分な余裕がある場合に検討したい選択肢です。

選択肢③:月50,000円

教育費と生活防衛資金を確保でき、老後資金を積極的に増やしたい人向け。

  • 現在より月27,000円増額
  • 年間の掛金は60万円
  • 追加の節税効果は年間約65,500〜98,600円
  • 実質負担増は月約18,800〜21,500円

節税メリットは大きくなりますが、資金が長期間拘束されます。教育費の準備が十分でない場合は、無理に選ぶ必要はありません。

※いずれも所得税率10〜20%を想定した概算です。実際の税額は個々の所得や控除により異なります。

9.iDeCoの掛金を増やす前に確認したい3つのこと

① 生活防衛資金は十分にあるか

預貯金が500万〜1,000万円あっても、住宅ローン、生活費、車の維持費などを差し引けば、自由に使える金額は限られるかもしれません。

まずは、毎月の生活費と、急な出費が発生した場合に必要な金額を把握しましょう。

② 大学進学までにいくら必要か

子ども2人が大学に進学する場合、進学先が国公立か私立か、自宅から通うか一人暮らしをするかによって必要額は大きく変わります。

進学費用の目標額を決め、現在の貯蓄やNISAの積立額でどこまで準備できるか確認しましょう。

③ 企業年金の有無とiDeCoの上限額

2026年12月の制度改正後も、企業年金などの状況によって拠出可能額は異なります。月50,000円への増額を決める前に、勤務先の制度とSBI証券の案内を確認してください。

制度の公式情報は、厚生労働省「私的年金制度」でも確認できます。

10.まとめ:教育費と老後資金、どちらも諦めないために

子どもの教育費を準備しながら、自分たちの老後資金も確保することは簡単ではありません。しかし、どちらか一方を諦める必要はありません。

iDeCoは、掛金の所得控除や運用益の非課税といったメリットを活用しながら、老後資金を準備できる制度です。2026年12月の制度改正によって、条件を満たす会社員は、これまでより多くの掛金を拠出できるようになる予定です。

今回のモデルケースでの結論

  • まずは生活防衛資金を確保する
  • 大学進学費用の目標額を決める
  • iDeCoは月30,000〜40,000円への増額を第一候補にする
  • 教育費の積立を続けても余裕があるなら月50,000円を検討する
  • NISAとiDeCoを併用し、使う時期に合わせて資産を分ける

大切なのは、節税額を最大化することだけではありません。必要なときに使えるお金を確保しながら、老後に向けた資産形成を無理なく続けることです。

40代は、教育費と老後資金の両方を本格的に考える大切な時期です。まずは家計全体を見直し、今の生活を守りながら、将来への備えを少しずつ強化していきましょう。

参考情報・公式サイト

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の税務・投資助言ではありません。制度の施行状況、掛金上限、手続き期限などは変更される場合があるため、申し込み前に最新の公式情報をご確認ください。節税額はモデルケースによる概算であり、実際の金額を保証するものではありません。

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