「腕立て伏せが40回できれば心疾患リスクが90%減る」——SNSやまとめサイトでよく見かけるこの話、実は元になった研究の中身を見ると、単純な「回数の話」ではないことが分かります。
① 結論
✅ 腕立て40回そのものが心疾患を防ぐわけではない
✅ ただし、40回できる人が「心疾患になりにくい状態」にあるのは事実
② なぜそんな研究が出たのか
研究の概要
結果
腕立て10回未満のグループと比べて、以下のようなリスク低下が見られました。
| 腕立て回数 | リスク低下 |
|---|---|
| 11〜20回 | 64%減 |
| 21〜30回 | 84%減 |
| 31〜40回 | 75%減 |
| 40回超 | 96%減 |
40回超のグループは、年齢・BMIを調整してもなお約90〜96%の低リスク。興味深いことに、この腕立て回数のほうが、従来使われてきたトレッドミル試験より心血管リスクとの関連が強かったと報告されています。
⚠️ ここでの注意
・これは相関関係であり、因果関係を証明したものではない
・対象は「体力のある職業(消防士)」の男性であり、一般女性や高齢者にそのまま当てはまるとは限らない
・「腕立てができる=もともと健康な人だった」可能性が大きい
③ 本当の正体:体の中で起きていること
ここが一番重要なポイントです。
④ じゃあ腕立ては意味ないのか?
意味はある。ただし万能ではない。
つまり腕立ては「健康のバロメーターの一つ」であって、「治療法」ではありません。
⑤ 心疾患リスクを下げる「本当にやるべきこと」
- 有酸素運動(最優先):週150分以上を目安に、ウォーキングやジョギングなど。心臓・血管に直接効く。
- 筋トレ(補助):週2〜3回。代謝改善・血糖コントロールに寄与。
- 体脂肪管理:特に内臓脂肪。心疾患リスクと直結する。
- 食事:塩分・脂質・糖質のバランスを整え、野菜とタンパク質を増やす。
- 定期検査(軽視されがち):血圧、LDL/HDLコレステロール、血糖値。感覚ではなく数値で管理する。
⑥ 現実的な目標設定
| レベル | 腕立て回数の目安 |
|---|---|
| 初心者 | 10回 |
| 平均的 | 20回 |
| 良好 | 30回 |
| 優秀 | 40回以上 |
⑦ まとめ
腕立て40回はゴールではない。
健康な体の「結果」として現れる指標にすぎません。
本当にやるべきは、有酸素運動・筋トレ・体脂肪管理・食事・定期検査を組み合わせて、体の中身を変える習慣を続けることです。
出典:Yang J, et al. “Association Between Push-up Exercise Capacity and Future Cardiovascular Events Among Active Adult Men.” JAMA Network Open. 2019;2(2):e188341.


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