「住宅ローンの金利が上がった……。NISAなんてやっている場合じゃないのかな?」
そんな不安を感じている家庭は、これから増えていくかもしれません。
日本銀行は2026年9月、政策金利を1.25%程度へ引き上げました。
これまでの「低金利が当たり前」という環境から、少しずつ「金利のある世界」へ変わりつつあります。
⚠️ この記事のポイント
住宅ローン金利が上昇したからといって、NISAをすべてやめる必要があるとは限りません。重要なのは、住宅ローン・教育費・車・生活防衛資金・老後資金をまとめて考えることです。
- 🏠 今回のモデル家庭
- 💥 金利0.5%上昇すると、住宅ローンはどうなる?
- 🚗 実は住宅ローンより気になる「400万円のカーローン」
- 📉 「金利が上がったからNISAを全部やめる」は正解なのか?
- 🎯 資産運用を「3つの財布」に分けて考える
- 🥇 最初に作るべきは「生活防衛資金」
- 🥈 次に確認したいのがカーローン
- 🥉 それでもNISAは完全に止めない
- 📈 月4万円のNISAでも20年後はどうなる?
- 🎓 ただし「教育費」は株式投資に頼りすぎない
- 🔥 一番やってはいけないのは「全部売る」
- 🏠 住宅ローンの繰上げ返済はどうする?
- 📊 Aさん一家なら、こんな資金配分を考える
- ⚠️ 「1.25%で終わる」とは限らない
- 🔍 5年ルールがあっても「安心」とは限らない
- 💡 金利のある時代に必要なのは「投資額」だけではない
- 📝 まとめ:「投資をやめる」ではなく「家計を守りながら続ける」
🏠 今回のモデル家庭
今回は、次のような4人家族をモデルケースにして考えてみます。
| 項目 | 家庭の状況 |
|---|---|
| 夫婦 | 40代 |
| 子ども | 小学生2人 |
| 世帯年収 | 700万円 |
| マイホーム | 4,000万円 |
| 住宅ローン | 4,000万円 |
| 当初変動金利 | 0.75% |
| 現在の想定金利 | 1.25% |
| 車 | ミニバン1台 |
| カーローン | 400万円 |
| 資産形成 | NISAなどを利用 |
住宅ローンを組んだときには、
「変動金利なら低金利だし、NISAで投資もしながら返していけばいい」
そう考えていました。
ところが、状況が変わります。
0.75%だった住宅ローン金利が1.25%へ。
さらに、物価上昇によって食費や光熱費、日用品などの負担も増えています。
そして忘れてはいけないのが、400万円のカーローンです。
「このまま投資を続けていて大丈夫なのだろうか?」
そう考えるのも無理はありません。
💥 金利0.5%上昇すると、住宅ローンはどうなる?
4,000万円を35年返済、元利均等返済として単純計算してみましょう。
金利0.75%
約10.9万円
毎月の返済額
金利1.25%
約11.8万円
毎月の返済額
金利0.5%上昇すると
月 約9,000円増加
年間では約11万円の負担増
「年間11万円なら何とかなる」と思うかもしれません。
しかし、この家庭には住宅ローン以外にも支出があります。
- 食費
- 光熱費
- 教育費
- 車の維持費
- カーローン
- 保険
- 固定資産税
- NISA
- 老後資金
つまり問題なのは、住宅ローンだけではありません。
💡 金利上昇の本当の怖さ
1つの支出が急増することよりも、住宅ローン・生活費・教育費・車などの負担が同時に少しずつ増えていくことです。
🚗 実は住宅ローンより気になる「400万円のカーローン」
この家庭の資産運用を考えるうえで、私が注目したいのがカーローンです。
住宅ローン
4,000万円
+
カーローン
400万円
合計4,400万円
世帯年収700万円に対して、借入総額は年収の約6.3倍です。
もちろん住宅ローンとカーローンでは性質が違います。
しかし、家計全体で見れば「借金」であることに変わりはありません。
🔍 ここで確認したいこと
「投資で何%儲かるか」だけではなく、「今、何%の金利を払っているのか」も確認しましょう。
📉 「金利が上がったからNISAを全部やめる」は正解なのか?
ここでAさん一家は悩みます。
「住宅ローンが上がったんだから、NISAを全部やめて借金返済に回そう」
一見すると合理的です。
しかし、投資をゼロにする前に一度立ち止まる必要があります。
なぜなら、この家庭には、
という3つの大きな資金需要があるからです。
⚠️ 投資を完全にやめることにもリスクがあります
住宅ローンへの対応はしやすくなりますが、今度は老後資金の準備が後回しになる可能性があります。
🎯 資産運用を「3つの財布」に分けて考える
この家庭なら、資産を大きく3つに分けて考えます。
① 近い将来使うお金
教育費など。
→ 現金・預金中心
② いざというときのお金
生活防衛資金。
→ すぐ使える預金
③ 10年以上使わないお金
老後資金など。
→ NISA・iDeCoなどを利用した長期運用
この「時間軸でお金を分ける」考え方が非常に重要です。
🥇 最初に作るべきは「生活防衛資金」
投資より先に考えたいのが、生活防衛資金です。
例えば毎月の生活費が30万円なら
180~360万円
程度を現金で確保する考え方があります。
このお金は「増やすお金」ではありません。
何かあったときに家族を守るお金です。
- 病気
- 失業
- 車の故障
- 家の修繕
- 急な教育費
こうした事態に備えるためのお金です。
🥈 次に確認したいのがカーローン
次に、カーローンの実際の金利を確認します。
重要
「カーローン400万円」という金額だけでは判断できません。実際の金利が何%なのかを見る必要があります。
カーローン金利が高ければ、投資を増やす前に返済を優先する選択肢もあります。
逆に低金利であれば、手元資金を大量投入してまで急いで返済する必要性は下がります。
🥉 それでもNISAは完全に止めない
ここが今回のコラムで最も伝えたいポイントです。
「投資する」か「投資しない」かの二択にしない
家計に無理のない金額まで減らして、長期投資を継続する方法もあります。
例えば現在、NISAに毎月10万円投資している家庭なら、
10万円 → 3~5万円
などに減額する方法があります。
📈 月4万円のNISAでも20年後はどうなる?
例えば、毎月4万円を20年間積み立てるとします。
毎月4万円 × 12か月 × 20年
元本960万円
これを年率5%で運用できたと仮定すると、約1,640万円になります。
※注意
これは推測・試算です。将来の運用成果を保証するものではありません。株式市場には価格変動や暴落があります。
それでも、「金利が上がったから投資を完全にやめる」のではなく、家計が耐えられる金額で長期継続するという考え方には意味があります。
🎓 ただし「教育費」は株式投資に頼りすぎない
この家庭には小学生が2人います。
ここが非常に重要です。
教育費は、使う時期がある程度決まっているお金だからです。
🚨 例えば大学入学直前に株式市場が暴落したら?
「大学入学金が必要なのに、投資資産が大きく値下がりしている」という状況になる可能性があります。
教育費は、必要な時期に株価が戻るまで待つことができません。
そのため、近い将来使う教育費は、預金などの安全資産を中心に準備する考え方があります。
一方、20年以上先の老後資金については、長期投資を活用する余地があります。
🔥 一番やってはいけないのは「全部売る」
NISAを全部売却
↓
住宅ローンを繰上げ返済
↓
手元資金がなくなる
↓
教育費が必要になる
↓
また借金……
住宅ローンの繰上げ返済は、確実に借入残高を減らせます。
一方で、手元から出したお金は簡単には戻ってきません。
💡 重要なのは「全部返す」ことではありません。
繰上げ返済するお金と、絶対に残しておくお金を分けることです。
🏠 住宅ローンの繰上げ返済はどうする?
金利が上昇している以上、繰上げ返済も選択肢になります。
ただし、子育て世帯の場合は、手元資金を残すことも非常に重要です。
検討する順番の一例
① 生活防衛資金
↓
② 教育費
↓
③ 高金利ローン
↓
④ 余裕資金で住宅ローン
もちろん、住宅ローン金利、住宅ローン控除、手元資金、教育費の準備状況によって最適な方法は変わります。
📊 Aさん一家なら、こんな資金配分を考える
例えば、毎月10万円を「資産形成・負債削減」に回せると仮定します。
| 目的 | 月額 |
|---|---|
| 現金貯蓄 | 3万円 |
| カーローン返済 | 3万円 |
| NISA | 4万円 |
| 合計 | 10万円 |
⚠️ これはあくまで一例です。
カーローン金利が高ければ返済額を増やす。生活防衛資金が十分に貯まっていれば現金貯蓄を減らす。教育費が不足していれば預金を増やす。このように家計の状態に応じて配分を変えます。
⚠️ 「1.25%で終わる」とは限らない
今回の本当の問題は、「金利が1.25%になったこと」だけではありません。
考えるべきなのは……
「さらに金利が上がったら、我が家はどうなる?」
例えば、
↓
1.50%
↓
1.75%
↓
2.00%
というケースを想定してみます。
そのとき、
- NISAを続けられるか
- 教育費を準備できるか
- 車を維持できるか
- 生活防衛資金を維持できるか
- 住宅ローンを返済できるか
を確認します。
これが「金利上昇ストレステスト」です。
🔍 5年ルールがあっても「安心」とは限らない
変動金利住宅ローンには、金融機関や契約によって「5年ルール」「125%ルール」があります。
例えば、対象となる住宅ローンでは、金利が変わっても一定期間は返済額を据え置き、その後の返済額にも上限を設ける仕組みがあります。
⚠️ ここは要注意
「返済額が変わらない=負担が増えていない」ではありません。
金利が上昇すると、返済額が据え置かれていても、利息の割合が増え、元金の減り方が遅くなる場合があります。
だからこそ、毎月の返済額だけではなく、
🏠 住宅ローン残高がどのくらい減っているのか
を見ることも大切です。
💡 金利のある時代に必要なのは「投資額」だけではない
資産運用というと、
「オルカンを毎月いくら買う?」
「S&P500をいくら積み立てる?」
という話になりがちです。
もちろん、それも大切です。
しかし、子育て世帯ではそれだけでは不十分です。
本当の資産形成とは
現金 + 投資 + 住宅 + 年金 + 借金管理
これらをまとめて考えることです。
📝 まとめ:「投資をやめる」ではなく「家計を守りながら続ける」
Aさん一家にとって、金利1.25%は確かに大きな変化です。
しかし、
「金利が上がったからNISAをやめる」
と即断する必要はありません。
まずは、
① 生活防衛資金を確保する
② カーローンの金利を確認する
③ 教育費を安全資産で準備する
④ NISAは無理のない金額で継続する
⑤ 余裕があれば住宅ローンを繰上げ返済する
という順番で家計を整理してみましょう。
🏠 金利のある時代に考えたいこと
「いくら儲けるか」より
「家計を壊さないこと」
住宅ローン・教育費・車・老後資金を、すべて一つの家計として考える。
これからの日本では、
「借金=悪」でも、
「投資=正義」でもありません。
大切なのは、自分の家庭の収入と支出、借金、資産、将来の支出を全部並べることです。
住宅ローン4,000万円。
カーローン400万円。
子ども2人。
世帯年収700万円。
この家庭に必要なのは、無理に投資額を増やすことではありません。
かといって、投資を全部やめることでもありません。
必要なのは、
「金利がさらに上がっても、家計が壊れない仕組み」
金利のある時代では、
「どれだけ儲けるか」より
「どこまで悪化しても耐えられるか」
この視点が、これまで以上に重要になってくるのではないでしょうか。
【記事内の数字・試算について】
住宅ローン返済額は単純化した試算です。実際の返済額は、借入時期、残存期間、金利タイプ、基準金利・優遇幅、5年ルール・125%ルールの有無などで変わります。
また、5年ルール・125%ルールがあっても、金利上昇時には元金と利息の内訳が変化するため、「返済額がすぐ増えない=負担がない」という意味ではありません。
本記事の投資シミュレーションは推測・試算であり、将来の運用成果を保証するものではありません。

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