第2部
「平均」と「中央値」のズレが、
あなたの違和感の正体
ニュースでよく目にする「平均ボーナス〇〇万円」という数字。
一見すると客観的で、分かりやすい指標のように見える。
けれど、この“平均”という言葉が、実は多くの人の感覚をズラしている。
■ なぜ「平均」は現実とズレるのか
平均値は、すべてのデータを合計して割ったものだ。
つまり、極端に高い数値が存在すると、それだけで全体が引き上げられる。
例えば、こんなケースを考えてみる。
| Aさん | 20万円 |
| Bさん | 25万円 |
| Cさん | 30万円 |
| Dさん | 35万円 |
| Eさん | 200万円 |
この5人の平均は、62万円になる。
大半の人は20万〜35万円のゾーンにいる。
このとき、より実態に近いのは「中央値」だ。
この場合の中央値は30万円になる。
■ 2026年夏ボーナスの「リアルな中央値」
ここで重要なのは、実際の中央値データだが——
(理由:厚労省や経団連は平均値中心で公開するため)
ただし、過去データや民間調査からの推測はできる。
民間企業
推測:30万〜40万円前後
公務員
推測:65万〜75万円前後
この差は、単なる偶然ではない。
■ なぜ公務員は中央値が安定するのか
公務員のボーナスは、
人事院の勧告に基づいて決まる。
つまり、
- 業績連動が小さい
- 給与テーブルが均一
- 景気の影響を受けにくい
■ 民間企業の”見えない格差”
一方、民間企業は完全に別世界だ。
同じ「会社員」でも、
| 大手メーカー | 80万〜120万円 |
| ITメガ企業 | 100万円超 |
| 中小企業 | 20万〜40万円 |
| 非正規 | 0円も普通 |
この分布は、いわば”ピラミッド”ではなく、
■ 「自分だけ少ない気がする」の正体
ここで、多くの人が感じる違和感の正体が見えてくる。
それは——
ということだ。
人は無意識に、
- SNSで見た「高額ボーナス」
- 大企業の平均値
- メディアの報道
こういった”上側の数字”と自分を比較してしまう。
しかし実際には、
■ データの見方を変えるだけで、世界が変わる
ここで一度、視点を変えてみる。
もしあなたが30万円のボーナスをもらっているなら——
平均43万円と比べる
→「少ない」
中央値30〜40万円と比べる
→「普通」
この違いは、数字以上に心理に影響する。
■ 本当に見るべきは「分布」
専門的な話をすると、重要なのは平均でも中央値でもなく、
分布(distribution)だ。
ボーナスはこういう分布になっている:
つまり、同じ”会社員”でも別のゲームをしている状態だ。
■ 結論:数字ではなく「立ち位置」を見る
ここまでをまとめると——
- 平均は参考にならない
- 中央値が現実に近い
- ただし本質は分布
そして最も重要なのは、
だ。
■ 次に考えるべきこと
ここで一つ、厳しいことを言う。
ボーナスの金額そのものは、
短期的にはほとんどコントロールできない。
なぜなら、
- 業界
- 会社規模
- 賃金テーブル
こういった”構造”で決まるからだ。
だからこそ重要なのは、次のステップになる。

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