日本も超高齢化社会に突入してきました。社会的には若い方が少なすぎることが問題視されています。今回は政治の話をしたいわけではなく、健康寿命を延ばそう、という話です。
昨今のジム事情としましては、ダイエット目的の方だけではなく、昔に比べたら体力が…という方が体力作りにトレーニングする方が増えてきました。
しかし、筋肉は若い人しかつかないのでは?と思われています。では実際、人間の筋肉は何歳まで発達するのでしょうか?

ん~…何歳なんだろう。
基本は筋肉増強、何歳からでも増強できる
90歳の男女10人が筋肉トレーニングを高強度(80% 1RMを8回が1セット)で週3日、8週間行った結果、
筋肉の断面積が111%に肥大
1RMが174%に増加
したという研究報告があります。
筋肉トレーニングで100歳代でも筋肉量は増えて、筋力も増大できました。(運動強度の目安の単位は、RM=レペティション・マキシマムの頭文字をとったもので、最大反復回数を示す。1RMは1回持ち上げることが限界の重量のこと)
表1に年齢別握力を示します。


握力は全身筋力の簡単な指標となります。女性が18kg未満、男性は28kg未満でフレイルの診断基準になりますが、80歳を越えると多くの人がフレイル基準まで低下します。さらに、握力が15kg以下になると転倒するリスクが高まります。健康を保つために必要な筋力の目安があるのです。
体重別下肢筋力
表2に体重別下肢筋力を示します。


筋肉トレーニングをすると、体重の2倍の重さが上がるようになります。
もともと虚弱で体重の半分程度しか上がらない下肢筋力でも、鍛えると体重以上の重さが上がるようになりますので、ご安心ください。
継続すれば必ず効果が
高齢者の筋肉量を増やすには、戦略が大切です。それは筋肉痛が軽く生じる程度のトレーニング負荷量を適切に選択することです。すなわち、筋肉を増強させる心地よいトレーニング負荷量を決めなくてはいけません。
もちろん、洗練されたセラピストやインストラクターに任せるのがいいでしょう。しかし、50歳未満なら、自分で決めても構いません。たとえ、ひどい筋肉痛が出ても、歩けなくなることはありません。
しかし、50歳を越えると筋肉痛により歩行や日常生活動作が一時的にひどく低下することがあります。
これが80歳以上では、そのまま廃用症候群(※)が生じて、歩けなくなる可能性があるのです。このため、洗練されたパーソナルジムが大切なのです。
※廃用症候群とは、動かないことが原因で、心も体も機能を失っていく状態です。簡単にいうと、使わないと衰える。
継続は力なり
一方、筋力トレーニングをしても筋肉痛が生じない程度のトレーニングでは筋肉量は増えません。そうかといって、痛くて動けなくなるほどの筋力トレーニングは続きません。
トレーニング後に少しの筋肉痛が出たら、「その筋肉は成長している」という科学を理解できると、トレーニングを継続する楽しみができます。
継続は力なり。自分のボディは90歳でも好きなように変えることができるのです。
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