トランプ大統領が関税をかけた理由
1.「アメリカ第一」政策
自国の産業保護と雇用創出を最優先にする方針。
安価な中国製品によりアメリカ国内の製造業が打撃を受けていたことに対する対抗措置。
2.貿易赤字の是正
アメリカは長年、中国との貿易で大きな赤字を抱えていたため、関税によって輸入を抑え、国内製品を促進しようとしました。
3.交渉のカードとして
関税を「圧力の手段」として使用し、中国に対して技術移転強制や知的財産権の保護改善を求めた。
4.政治的支持基盤の強化
特にラストベルト(Rust Belt:衰退した工業地帯)の有権者に向けて「強いアメリカ」を印象づけ、再選に向けたアピールとする目的も。

1~3の理由は私の理解できるのですが、ラストベルト(Rust Belt:衰退した工業地帯)の有権者たちの支持を集めることにどのようなメリットがあるのかが、よくわからなかったので調べてみました。
ラストベルトとは?
- 主にペンシルベニア州、オハイオ州、ミシガン州、ウィスコンシン州など、かつて製造業・鉄鋼業で栄えた地域。
- 近年はグローバル化・自動化・産業の海外移転により、工場閉鎖や雇用喪失が深刻化。
- 住民の多くは労働者階級(ブルーカラー)で、経済的に不満を持つ層が多い。
上記4つの州は選挙戦において激戦区とのことで、2016年にトランプ大統領が就任した際に決定打となった州だそうです。

その州の支持者から好感を得るために、彼らにわかりやすい政策として関税をかけることによるメリットをアピールするためこのような政策が行われたという訳です。
アメリカ経済にメリットはあるのか?
しかしここで一つ疑問があります。
関税の進めているのに、NYダウも下落しています。アメリカの企業にメリットがあるなら、アメリカの株価は上がってもよさそうなのに…。
専門家たちの見解を覗いてみると、「短期的にはメリット、中長期的にはデメリット」ということでした。確かに短期的には自動車の部品などを中国から購入すると価格が上がるため、アメリカ自国で生産しようと雇用が生まれます。
しかし、中長期的にはどうでしょう。
中長期でみたときのデメリット
1. 消費者物価の上昇
シンプルに物価が上昇します。消費者は確実に損をします。日本だって物価上昇して消費がおちましたよね。みなさんも物価が上がったら買い物控えますよね?
モノが売れなくなるリスクが高まります。
2. 企業のコスト増と利益減
企業もモノをつくるのに、海外から輸入しているところは仕入れコストが高くなり、利益が下がることが予測されます。
結果、設備投資や雇用が縮小する恐れがあります。
3. 報復関税による貿易摩擦
中国やEUから報復関税をかけられるリスクがあります。まさに経済戦争です。過去に農業や航空機産業などが被害を受けた例があります。
こんなことして誰が得をするのでしょうか?
4. 経済全体の不透明感と株式市場の不安
これだけ経済が不透明になると投資家は資金を引き揚げてしまい、結果として株安につながります。
おわりに…
以上のことから日本の株価が全体的に下落し、日経平均が下がっているのです。
個人的な見解ですが、積立NISAをしている方は売却を焦らず、回復するまで耐えると良いかと思います。どのくらいの期間で回復するかわかりませんが、また回復してくると思っております。
ポートフォリオを見直して、リスクヘッジは必要かもしれませんね。
コメント