30歳・年収500万円・子ども2人
― “攻めない勇気”が家族を守る資産設計 ―
30歳。
住宅ローン3,300万円。
固定金利1.2%。
子どもは4歳と2歳。
世帯年収500万円、妻は専業主婦。
貯金100万円。
投資は月5万円。NISA口座あり。
この条件は、日本では決して珍しくありません。
むしろ「平均的で、真面目で、堅実な家庭」と言えるでしょう。
しかし――。
資産形成の世界では、
“平均”は安全を意味しません。
教育費、住宅ローン、老後。
人生の三大支出を抱えながら、
どうすれば破綻せず、かつ将来に備えられるのか。
この記事では、これまでの相談内容をすべて統合し、
理論+現実+具体策を組み合わせた実践的な設計図を提示します。
第1章:今の立ち位置を冷静に見る
まず数字を整理しましょう。
■ 世帯年収:500万円
手取り:約380〜400万円
月手取り:約32万円
■ 住宅ローン
3,300万円/固定1.2%/35年
■ 貯金
100万円
■ 投資
月5万円(NISAあり)
■ 家計状況
毎月トントン
結論:今は“守りの局面”
収入源は1本。
子どもは未就学児。
生活費は固定費中心。
この局面で最も重要なのは、
「増やすこと」よりも
「崩れないこと」
です。
第2章:教育費という現実
大学進学まで:
- 上の子:14年
- 下の子:16年
教育費目安(現実的なライン):
| 区分 | 1人あたり |
|---|---|
| 国公立 | 500〜800万円 |
| 私立文系 | 800〜1,200万円 |
| 私立理系 | 1,200〜1,500万円 |
仮に1人800万円を目標にすると、
2人で1,600万円。
月2万円積立の場合
年4%で15年運用すると
約500万円前後。
投資先は
- S&P500
- 全世界株式型
などの広範囲インデックスで十分。
児童手当の力
児童手当を全額投資できれば
2人で約200万円規模。
合計約700万円。
不足分は、
- 将来のパート収入
- ボーナス
- 奨学金併用
で十分現実的。
第3章:住宅ローンは敵ではない
固定1.2%。
これはかなり良い条件です。
仮にインデックスの期待リターンが
4〜6%とすると、
理論上は
繰上返済より投資の方が合理的
です。
ただし条件があります。
それは、
防衛資金が十分あること
第4章:防衛資金という“土台”
現在:100万円。
住宅ローン+子ども2人なら
最低でも150〜200万円は欲しい。
今の最大リスクは暴落ではありません。
- 病気
- 車故障
- 家電買い替え
- 収入減
ここで投資を崩すと、
複利が壊れます。
最適配分(守りの2年間)
月5万円の内訳:
| 用途 | 金額 |
|---|---|
| 現金積立 | 3万円 |
| 教育費投資 | 2万円 |
| 老後 | 一時停止可 |
2年で防衛資金は約170万円規模。
安心感が段違い。
第5章:老後は“止めない”ことが重要
30歳。
老後まで35年。
仮に月1万円を
年5%で35年運用すると
約800万円。
止めると、この800万円は消えます。
少額でも継続が正解。
実例①:攻めすぎて失敗したケース
Aさん(32歳・年収520万円)
子ども2人。
月8万円を株式に全振り。
防衛資金80万円。
2022年の相場下落で
評価損▲200万円。
同時期に車が故障。
投資を損切り。
結果:
資産形成が3年後退。
問題は下落ではなく、
「余力不足」
でした。
実例②:守ってから攻めたケース
Bさん(30歳・年収480万円)
まず2年間、防衛資金を200万円へ。
その後、奥様がパート月8万円。
投資額を月9万円に増額。
現在10年目。
資産は約1,400万円。
ポイントは、
順番を守ったこと
第6章:専業主婦世帯の最大リスク
収入源が1本。
だからこそ、
- 収入増より
- 支出安定より
- 投資リターンより
“耐久力”が最優先
第7章:5年後の未来図
お子さんが小学校へ。
奥様がパート開始(月7万円)。
家計は黒字化。
その瞬間に
- 教育費増額
- 老後積立再開
- 個別株少額追加
が可能。
ここまでのまとめ
今は守り。
防衛資金を200万円へ。
教育費は止めない。
老後は細く長く。
住宅ローンは触らない。

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