― 円の価値と“見えないインフレ”で考える現代日本 ―
📈「平均年収474万円」のニュースに感じるちょっとした違和感
最近、「日本人の平均年収が474万円に上昇!」というニュースが話題になりました。
1990年代の停滞を思えば、ようやく上向いてきた印象です。
初任給も大企業を中心に上がり続け、大学新卒で25万円を超える企業も珍しくなくなりました。
でも――。
多くの人が心のどこかでこう感じていませんか?
「給料は上がってるはずなのに、なんか生活は楽になっていない気がする」
その感覚、実は間違っていません。
なぜなら、“円の価値”がこの30年で静かに変わってきているからです。
🪙「失われた30年」で円の価値はどう変わった?
1995年を基準にすると、2025年の物価はおよそ16.8%上昇しています。
つまり、1995年に100万円で買えたものを、今では約116万8千円出さないと買えないということ。
逆に言えば、100万円の価値は今や約85万円分にまで目減りしているのです。
一見すると大した数字ではないように思えますが、30年という時間の中で、
「じわじわと」財布の中身が削られていったとも言えます。
💡インフレ率わずか0.5%でも、長く続けば大きな差に
日本の年平均インフレ率はおよそ0.5%/年。
欧米諸国のような急激なインフレではないけれど、
30年も積み重なれば確実に購買力は落ちていきます。
もしあなたが「貯金一筋」で30年前からコツコツ預金していたとしたら、
そのお金の“実質的な価値”は、約15%ほど減っているという計算になります。
🏦「貯める」から「守り・育てる」へ
多くの日本人にとって「貯金」は安心の象徴。
でも、インフレがじわじわ進む時代では、
ただ貯めているだけではお金の価値を“守る”ことが難しくなってきました。
もちろん、無理に投資に走る必要はありません。
ただし、「お金の置き場所」を考えることは、これからの時代の必須スキルです。
たとえば:
「貯める」から「守り・育てる」へ。
この小さな意識の転換が、30年後のあなたの生活を大きく変えるかもしれません。
🌸おわりに:数字の裏にある“現実の感覚”を大切に
平均年収が上がっても、物価も同時に上がれば、手元に残る感覚はあまり変わりません。
でも、その「なんとなく生活が苦しい気がする」という直感こそ、経済の本質をついているのです。
お金の数字だけを見るのではなく、
「そのお金で何が買えるのか」「どれくらいの価値があるのか」
を意識してみる――それが、インフレ時代を賢く生きる第一歩です。
📍まとめ
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