現場ではよくある話です。「最近痩せにくくなった。昔はすぐ痩せたのに。。。」心当たりある方いらっしゃるのではないでしょうか?
痩せない場合、食事や運動量を疑います。しかし、その点をクリアしてるであろうに痩せない、歳なのかな、とあきらめてしまう場合も多々あります。しかし、問題が内臓にある可能性があるのです。
それが肝臓です。
- 肝臓をいたわったら、ほとんどの人がわずか3カ月で痩せるという事実。
- 日本人の成人の3人に1人が脂肪肝。原因は糖質の過剰摂取にあり
- 脂肪を落として肝臓が元気になると、 基礎代謝が上がって痩せやすくなる。
- 脂肪肝にまつわる思い込みを解消しよう
- 肝臓をケアして痩せ体質になる生活習慣7カ条。
- ポイント1|米、パン、麺などの 主食は半分の量に。
- ポイント2|野菜は倍の量に。
- ポイント3|果物はジュースではなく、そのままゆっくり食べる。
- ポイント4|タンパク質は体重1kg あたり1gをバランス良く。
- ポイント5|主食を控える分、水分を意識して摂ろう。
- ポイント6|加工食品を控える。
- ポイント7|夜の過ごし方が肝臓ケア生活を決める。
肝臓をいたわったら、ほとんどの人がわずか3カ月で痩せるという事実。
肝臓の機能はご存知でしょうか?
肝臓は吸収した栄養分を体内で使える形に分解したり、合成したりして作り変える臓器。食事で取り込んだブドウ糖をグリコーゲンや中性脂肪に変えて貯蔵して、必要なときに再びブドウ糖に戻して放出させたり、脂肪の消化吸収を助ける胆汁を作ったり、“身体の化学工場”のような役割を担っています。ですから、肝臓の機能が悪化すると、栄養素の代謝がうまくいかず、太りやすい体に。逆を言えば、肝臓をいたわることで、痩せやすい体になるのです。事実、肝臓が元気になると8割の人が3カ月で5㎏痩せるというデータもあります
日本人の成人の3人に1人が脂肪肝。原因は糖質の過剰摂取にあり
痩せ体質をつくるのは健やかな肝臓。しかし、現代は日本の成人の3分の1が脂肪肝という病気に罹患しているそう。
脂肪肝は中性脂肪が肝細胞の中に多く蓄積した状態です。
中でもアルコールを飲まなくても生じる非アルコール性脂肪性肝疾患の人が増えています。とくに女性は40代になると、内臓脂肪をつきにくくするエストロゲンの分泌が低下し、脂肪肝になりやすい状態になります。
日本人の3分の1が脂肪肝という時代、肝臓をケアして痩せ体質になる生活習慣7カ条。© クロワッサン オンライン
日本人の3分の1が脂肪肝という時代、肝臓をケアして痩せ体質になる生活習慣7カ条。© クロワッサン オンライン
脂肪肝の原因は、糖質過多の食生活です。
肝臓に溜まる脂肪の原因は、食べ物から摂る脂肪より糖質のほうが大きい。ですから、糖質を減らす食生活こそが脂肪肝を改善する一番の近道。とくにトウモロコシ由来の果糖ブドウ糖液糖という甘味料が入った甘い飲み物・加工食品や、白ごはん・パンなどの精製糖質には要注意です。
脂肪を落として肝臓が元気になると、 基礎代謝が上がって痩せやすくなる。
肝臓をいたわることで痩せやすい体になるのは、基礎代謝量がアップすることが一番の大きな理由です。
肝臓は24時間365日エネルギーを使い続けてくれている臓器です。
脂肪肝の人は就寝中のエネルギー消費量も少ない状態。肝臓についた脂肪を落とすことで、基礎代謝量がアップして痩せやすい体になります。また、解毒力が上がって疲れにくくなったり、肝臓には免疫細胞が多数存在しているため、機能が回復すると感染症にかかりにくくなるメリットも。結果、よりアクティブな生活が送れるようになり、ますます太りにくい体になっていきます。見た目の年齢は変わらなくても、しっかりいたわってあげることで肝機能は20代に戻すことができるのです
日本人の3分の1が脂肪肝という時代、肝臓をケアして痩せ体質になる生活習慣7カ条。© クロワッサン オンライン
人が生きていくなかで消費するエネルギーの6割が基礎代謝。そして基礎代謝の中では肝臓が4分の1以上を占めています。
脂肪肝にまつわる思い込みを解消しよう
脂肪肝の原因は、油の摂りすぎ?【×】
主な理由は糖質の摂りすぎです。
脂肪肝と言われると、肉の脂身や揚げ物など、脂っこいものを減らせば治ると思われがちですが、油が直接影響するのはわずか14%。食事から摂ったものの中では、糖質から肝臓で合成される脂肪が26%と、倍近い影響力があります。
日本人の3分の1が脂肪肝という時代、肝臓をケアして痩せ体質になる生活習慣7カ条。© クロワッサン オンライン
お酒を飲みすぎると脂肪肝になりますか?【△】
ビール1日500mlまでなら、健康上の影響はそこまでない。
アルコールが一番肝臓を脂肪化させる飲み物なので、すでに脂肪肝の人は控えるべきです。ただし、健康な人は1日当たりの純アルコール摂取量20g(ビール500ml程度)であれば、肝障害を引き起こすリスクは低いです。
発酵食品のヨーグルトや甘酒を毎日摂っています。【△】
甘さのあるドリンクタイプや米が原料の甘酒は控えめにしましょう
健康のために飲んでいる乳酸菌飲料や甘酒も肝臓には悪影響です。乳酸菌飲料は果糖ブドウ糖液糖がたっぷり含まれていますし、甘酒は砂糖が入っていなくても材料がお米なので糖質が高いです。控えめにするのが望ましいです。
砂糖ゼロの飲料なら大丈夫ですか?【△】
食欲を増進する成分が入っています。
砂糖は入っていなくても、カロリーゼロを謳っているドリンクには甘みを出すために人口甘味料が使われています。人工甘味料そのものでは太りませんが、食欲増進作用があるため、できるだけ控えたほうがいいでしょう。
肝臓をケアして痩せ体質になる生活習慣7カ条。
脂肪肝を改善するには、これまでの食事や生活習慣を見直すことが何より大切です。
大いに摂りたいものと控えたいもの、これから紹介する7つの極意を習慣にして、肝臓をいたわり、痩せ体質を目指しましょう。
ポイント1|米、パン、麺などの 主食は半分の量に。
米やパン、麺などはすべて脂肪になりやすい精製糖質で、砂糖と同じと考えるべき。まずは主食の量を減らすことが脂肪肝改善の最短コースです。目標とする糖質量は1日トータルで70〜130g。
- ごはん半膳、
- 食パン6枚切り1枚
- うどん半玉
- パスタ35g
これらに含まれる糖質量が約25gなので、おかずと合わせて1食の合計糖質量を40gに収めるように意識しましょう。
ポイント2|野菜は倍の量に。
米やパン、麺の中には食物繊維が含まれているので、糖質制限をすると大多数の人が便秘になります。腸の中に蓄積された便は、エネルギーとして余分な栄養素まで取り込んでしまうため、結果太りやすい状態になります。1日あたりの摂取目安量、両手にこんもり350gの野菜から食物繊維を充分に摂ることで、便秘を予防するのはもちろん、満腹感が出て食欲抑制にも繋がります。
ポイント3|果物はジュースではなく、そのままゆっくり食べる。
果糖には肝臓の細胞を傷つける作用がありますが、その吸収スピードによって体への影響は大きく変わります。食物繊維と一緒にゆっくりと吸収されれば、小腸の酵素の働きでブドウ糖に変わります。一方、飲み物で摂ってしまうと酵素の働きが間に合わず、果糖のまま肝臓へ向かうことになります。ですから、食後のデザートとしてそのまま食べるのが正解です。
ポイント4|タンパク質は体重1kg あたり1gをバランス良く。
人体の糖の貯蔵庫は肝臓と筋肉だけです。脂肪肝の人は肝臓が満室の状態なので、筋肉量まで減ると貯蔵しきれない糖が増え、その糖が中性脂肪に変えられてしまいます。そのため、筋肉を落とさず痩せることが脂肪肝を改善する必須条件です。体重(kg)あたり1gのタンパク質が1日の摂取量の目安ですが、タンパク質は一気に吸収できないので、何回かに分けてバランス良く摂取しましょう。
ポイント5|主食を控える分、水分を意識して摂ろう。
米や麺類には多くの水分が含まれているため、主食を制限すると無意識のうちに体が水分不足になりやすいです。その結果、便秘を招くだけでなく、肝臓への血流の量が落ちて、かえって太りやすくなってしまいます。ダイエット中こそ、意識して水分を摂ることが大切。とくに、果糖ブドウ糖液糖や人工甘味料が一切含まれていない水、お茶、ブラックコーヒーがおすすめです。
ポイント6|加工食品を控える。
加工食品には甘い飲み物と同様に、果糖ブドウ糖液糖に加えて食品添加物が多く含まれています。肝臓はせっせと解毒作業に励まなくてはいけなくなるので、せっかく糖質を控えても肝臓は休まりません。とくに、スナック菓子やカップ麺をはじめとする果糖ブドウ糖液糖入り、高脂肪、塩分多め、低食物繊維、低タンパク質の〝超加工食品〞は控えるようにしてください。
ポイント7|夜の過ごし方が肝臓ケア生活を決める。
夜勤があるシフト労働者の中には、脂肪肝を抱えている人がとても多いです。その理由は遅い食事時間。人間の体は夜に脂肪をため込みやすい性質があります。夜10時以降に食事をする習慣がある人はトータルのエネルギー量が同じでも脂肪肝になりやすいです。エネルギーが脂肪化されないよう、就寝前2時間は食事を取らず、寝酒も控えてましょう。
まとめ
みなさんいかがでしたでしょうか。正直、ダイエットの話でいくと当たり前だよ、という部分もありますが、私も意外だなと感じたのが脂質より糖質の方が肝臓に脂肪がつく、ということです。
全てを完璧にするのは難しいかもしれないのですが、食べる量を少し減らす、夜遅くに食べないようにする、タンパク質を積極的に摂取する、といったあたりを意識してみてはいかがでしょう。肝臓が健康になれば、痩せる、疲れにいカラダが手に入ります。
人生100年時代、健康で長生きするためには生活習慣を整えていくことが大切かと思います。
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