炭水化物は糖質だからダイエットの時は食べてはいけないのでは?というのが基本的な考え方かと思います。実は冷やすとダイエット食材に変わるのはご存知でしたでしょうか?更にダイエット効果だけでなく、レジスタントスターチという栄養素が向上し、腸活を促してくれます。メジャーリーグで活躍しているダルビッシュ投手も実践していると言われている、冷凍焼きおにぎり。冷凍食品にある焼きおにぎりですね。それを食べるようにしているそうです。
レジスタントスターチ
レジスタントスターチ(Resistant Starch:RS)を和訳すると、 resistant=抵抗性のある、難消化性の、starch=デンプンという意味です。「難消化性デンプン」とも呼ばれています。
レジスタントスターチは、炭水化物であるでんぷんを含む食品の多くに含まれています。例えば、
・お米
・パン
・パスタ
・じゃがいもやさつまいもなどのイモ類
・豆類
・かぼちゃ
・バナナ
などです。
第3の食物繊維
レジスタントスターチは、食物繊維と同じような働きをすることで、健康効果が期待できます。
食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がありますが、レジスタントスターチはそれら両方の機能を合わせ持っています。
「第3の食物繊維」、「ハイパー食物繊維」とも呼ばれ、腸活やダイエットの面からも注目されています。
レジスタントスターチのはたらきとメリット
レジスタントスターチはデンプンの仲間ですが、通常のデンプンとは少し働きが異なります。通常のデンプンの場合、身体に入ると複数の消化酵素により分解されて、最終的にはブドウ糖(グルコース)になり、小腸で吸収されています。当然、糖の吸収に伴って血糖値の上昇が生じます。一方、レジスタントスターチは、酵素の影響を受けず、小腸で消化吸収されないまま大腸に届くことが分かっています。それにより得られるメリットはいくつかあります。
①血糖値の急激な上昇を抑え、ゆるやかにする
レジスタントスターチにより、食物繊維同様、食後血糖の急激な上昇やインスリンの分泌が抑えられると言われています。
②腸内環境の向上
レジスタントスターチは、プレバイオティクスとしての働きもあります。
大腸に運ばれると腸内細菌である善玉菌のえさとなって発酵し、善玉菌を増やします。
その善玉菌が酢酸やプロピオン酸、酪酸といった「短鎖脂肪酸」という物質を作ります。
短鎖脂肪酸のはたらき↓
・大腸粘膜のエネルギー源になる
・腸の上皮細胞の増殖を助ける
・大腸の血流を増やす
・大腸の蠕動(ぜんどう)運動を促す
・悪玉菌が増えにくくなる弱酸性の環境を保つ
・結腸がんを予防する
・ミネラル吸収の増加
などの働きがあると言われています。
腸自体も健康になり、腸内環境も改善され、便秘解消や腸活に繋がるということですね!
③コレステロールや中性脂肪を下げる
短鎖脂肪酸が肝臓に運ばれると、コレステロールや中性脂肪の合成を抑制し、血中のコレステロール値も低下すると言われています。
④食欲を抑制する
短鎖脂肪酸は更に、腸管ホルモンを分泌し、脳に作用して食欲を抑える働きもあるといわれています。
満腹感を持続させ、食べ過ぎを防ぐという役割もあります。
レジスタントスターチの増やし方、食べ方のコツ
レジスタントスターチは、加熱調理後、冷める過程で増加するものが多いことがわかっています。
ごはんの場合、炊飯器調理後、
室温で1時間置いて冷ますと、レジスタントスターチは2.9倍に増え、
炊飯後すぐ冷凍庫で24時間保存すると、2.1倍に増えたという実験報告があります。
ごはん以外にも、スパゲッテイやそうめん、うどん、中華麺、さつまいもなどでも、加熱後常温放置することでレジスタントスターチは増加したことが分かっています。
調理後のアツアツ状態ならではのおいしさはもちろんありますが、レジスタントスターチを摂取するという観点からは、「一度冷ます」という工程を踏むことがコツといえます。
再加熱は問題なし
レジスタントスターチは冷めると増加することは分かりましたが、一度冷めたものを再加熱すると、また減ってしまって意味がなくなるのでは?と疑問が湧きますよね。
冷めた後増えたレジスタントスターチ総量に対して、再加熱後の量を測定した実験があり、
炊き立てのごはんを1時間放置した後では、
・電子レンジで再加熱した場合…93%
・熱湯を注いで10分間室温放置した場合…95%
炊き立てごはんを24時間冷凍庫に保存した後では、
・電子レンジで再加熱した場合…117%
と報告されています。
レジスタントスターチを電子レンジで再加熱しても、元には戻らないと考えられます。冷凍保存していた場合はむしろ増加したという結果もあります。
一度冷ましたり冷凍したごはんを、電子レンジで温めて食べても大丈夫そうですね。
ハイレジスタントスターチ
ハイレジスタントスターチとは、レジスタントスターチを多く含んだ食品のことで、冷やごはんや豆類、芋類などもそれにあたります。
また、熟す前の青いバナナ(グリーンバナナ)に、レジスタントスターチが豊富に含まれるとして、そのまま食べることを推奨したり、パウダー状の加工食品として販売されたりもしています。
糖質制限や炭水化物抜きのダイエット方法が流行したことで、ごはんなどの炭水化物はダイエットの敵のようなイメージがあったりしますが、
レジスタントスターチは炭水化物(でんぷん)でありながら、糖質として吸収されず、食物繊維と同様に血糖値の上昇を抑えたり、腸内環境を整えてくれるため、上手に取り入れることで健康的なダイエットに役立ちます。
「ハイレジダイエット」は、炭水化物を適度に摂りながら、美しく痩せることができるとして、レジスタントスターチの多い食材を取り入れていく方法です。
おわりに
いかがでしたでしょう。ごはん大好きな方、朗報だったのではないでしょうか。お米もそうですが、代表的な炭水化物は冷やして食べればダイエット効果があるんだなと思ってよいかと思います。
食事制限中はどうしても炭水化物など欲しくなる時あります。選択肢のテクニックとして「ハイレジダイエット」取り入れてみてください。
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