株式投資の世界では、「高配当株」と「グロース株」という言葉がよく登場します。
どちらも儲けるための手段ですが、実はまったく異なる性格を持っています。
- 高配当株は 「地に足をつけて堅実に」
- グロース株は 「未来を信じて挑戦する」
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あなたがどんなタイプの投資家なのかによって、向いているスタイルも変わります。
今回は、実際の成功事例を交えながら、両者の違いと魅力をやさしく解説します。
🟢 高配当株とは? ― “安定”を味方にする投資
高配当株は、企業の利益の一部を配当金として株主に還元するタイプの株。
景気が良くても悪くても、安定的に収益を出す「成熟企業」が多いのが特徴です。
🔸 代表的な高配当株
平均して3〜5%台の配当利回りが期待でき、再投資することで長期的に大きな複利効果を狙えます。
✅ 実例①:三菱商事の「王道リターン」物語
三菱商事は長らく“地味な商社株”と呼ばれてきました。
しかし、世界的な資源高や円安の追い風を受け、2020〜2024年にかけて株価は 約3倍 に上昇。
さらに、年間配当金も大幅に増加し、2024年には1株あたり約200円を超える水準へ。
配当利回りはおよそ 4%前後 を維持しつつ、株価も右肩上がりという理想的な展開になりました。
「配当をもらいながら資産も増える」――まさに高配当株投資の成功例と言えるでしょう。
🟠 グロース株とは? ― “未来”に賭ける挑戦型投資
グロース株は、今後の成長が期待される企業。
配当よりも事業投資を優先し、利益を再投資してどんどん規模を拡大していくスタイルです。
🔸 代表的なグロース株
配当は少ない(あるいはゼロ)ですが、もし成功すれば株価は何倍にも跳ね上がる可能性を秘めています。
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✅ 実例②:レーザーテックの「成長物語」
半導体製造装置メーカーの レーザーテック(6920) は、まさに日本を代表するグロース株の成功例です。
2018年頃、株価はわずか 3,000円台。
しかし、半導体需要の急拡大とともに、EUVマスク検査装置の世界唯一の供給企業として地位を確立し、
2024年には株価が 10倍以上の3万円台 に到達しました。
配当はほとんどありませんが、キャピタルゲインだけで莫大な利益を得た投資家も多く、
「未来を信じた人が報われた」典型的なグロース投資の成功例となりました。
⚖️ 高配当株とグロース株の比較表
| 項目 | 高配当株 | グロース株 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 安定収入(インカムゲイン) | 値上がり益(キャピタルゲイン) |
| 配当利回り | 約3〜5%(中には6%超) | 約0〜1%(無配も多い) |
| 株価変動 | 小さめ(安定) | 大きめ(変動激しい) |
| 業種傾向 | 商社・通信・金融・エネルギー | 半導体・AI・IT・スタートアップ |
| 投資家タイプ | 安定志向・長期保有派 | 成長志向・リスク許容度高め |
📈 日本市場の現状:安定と挑戦の共存
ここ数年の日本市場では、高配当株が注目を集める一方で、グロース株も依然として人気があります。
- 高配当株(例:三菱商事、NTT) は、為替や資源価格に支えられ安定的な上昇。
- グロース株(例:レーザーテック、SHIFT) は、テクノロジーやAIブームの波に乗って急伸。
どちらも「時代の風」をうまくつかめば成功できる、という点が日本株の面白さです。
💬 投資スタイル別のおすすめ
| 投資スタイル | 向いている株タイプ | 特徴 |
|---|---|---|
| 安定・インカム重視 | 高配当株 | ・定期的な配当で安心感 ・再投資で複利効果が得やすい |
| 成長・値上がり重視 | グロース株 | ・未来のテーマに乗ることで一気に利益も ・リスクは高めだが夢がある |
🪴 まとめ:投資に「正解」はない
- 高配当株 は「安心して持ち続ける投資」
- グロース株 は「未来に賭ける投資」
大切なのは、どちらか一方に偏らず、自分の性格と目標に合ったバランスを見つけることです。
例えば「7割を高配当株、3割をグロース株」といった配分もおすすめです。
💡 投資は“お金を増やす”だけでなく、“心を豊かにする”ものでもあります。
焦らず、地道に、自分のペースで続けていきましょう。

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