第1章|投資で大失敗する人に共通する「7つの考え方」
①「自分だけは大丈夫」という正常性バイアス

心理学でいう正常性バイアス。
これは「都合の悪い情報を無視し、今まで通りでいようとする心の働き」です。
- 株価が下がっているのに
→「一時的だろう」 - 含み損が増えているのに
→「そのうち戻る」 - 明らかに無理なレバレッジなのに
→「最悪でも何とかなる」
頭では「危ない」と分かっている。
でも心がそれを認めない。
心理学者から見ると、これは怠慢ではなく、脳の防衛反応です。
不安を直視すると心が壊れそうになるため、脳が勝手に現実を歪めてしまうのです。
② 感情を「理屈」で正当化してしまう
投資で失敗する人ほど、理屈がうまい。
- 「これは長期投資だから」
- 「今回は特別なケース」
- 「プロも同じ判断をしている」
でも実際は、
「怖い」「取り戻したい」「損を認めたくない」
この感情が先にあり、理屈は後づけです。
心理学ではこれを
合理化(Rationalization) と呼びます。
人は感情で動き、理屈で自分を納得させる生き物。
投資の世界では、この性質が致命傷になります。
③ 損失を「失敗」と認められない
これがとても重要です。
人間は、
得をした喜びより、損をした痛みを2倍以上強く感じる
ということが、行動経済学で分かっています(プロスペクト理論)。
だから、
- 利益が出るとすぐ確定
- 損失はいつまでも引きずる
という行動を取りがちです。
失敗する人ほど、
「まだ失敗じゃない」
「確定してないから負けじゃない」
と考えます。
でも、損切りできない投資は、ほぼ例外なく大失敗に向かいます。
④ 「取り戻したい」が判断を狂わせる
心理学者が最も危険だと指摘するのが、この状態です。
- 含み損が出る
- 焦る
- 取り返したくなる
- さらにリスクを取る
これはギャンブル依存と同じ心理構造です。
冷静な判断能力はほぼ失われ、
「勝てばすべて解決する」
という、非常に単純な思考になります。
この段階に入ると、
投資はもはや投資ではなく、感情処理の手段になります。
⑤ 他人の成功話に過剰反応する

SNSやYouTubeで、
- 「〇ヶ月で資産10倍!」
- 「誰でも簡単に稼げる」
こうした情報を見ると、人は無意識にこう思います。
「自分も、できるかもしれない」
心理学ではこれを社会的証明と呼びます。
「みんなやっている=正しい」と感じてしまう現象です。
でも、成功談は
・失敗談より拡散され
・編集され
・誇張される
という前提を忘れてはいけません。
⑥ 「一発逆転」をどこかで信じている

失敗する人ほど、心の奥でこう思っています。
「普通にやっても、つまらない」
「人生を変えるには、大きく張るしかない」
心理学的には、これは現実逃避と希望の混合物です。
でも投資は、
コツコツ型が勝ち、夢追い型が負ける世界。
このズレを理解できないと、大失敗に近づきます。
⑦ 自分の失敗パターンを振り返らない
最も致命的なのはこれです。
- なぜ失敗したのか
- どの感情が判断を狂わせたのか
これを振り返らず、
「運が悪かった」
「相場が悪かった」
で終わらせてしまう。
心理学者はこれを外的帰属と呼びます。
責任を外に置くことで、心は楽になります。
でも、成長は止まります。
第2章|実例①「冷静なサラリーマンが崩れた瞬間」

40代・会社員・Aさんの話
Aさんはごく普通のサラリーマン。
家族もいて、貯金もそこそこ。
投資を始めたきっかけは
「老後が不安だったから」。
最初はインデックス投資。
地味だけど、順調でした。
ところがある日、SNSで
「短期トレードで月収100万」という投稿を見る。
「自分は頭も悪くないし、できるかもしれない」
そこからFXに手を出します。
最初は勝つ。
少額だけど勝つ。
脳内ではドーパミンが出ます。
「自分には才能がある」と錯覚します。
ところが、ある日大きな損失。
ここでやめればよかった。
でもAさんはこう思います。
「ここでやめたら、負けを認めることになる」
ロットを上げる。
負ける。
さらに上げる。
最終的に、
数年かけて貯めた資産の大半を失いました。
Aさんは後にこう語っています。
「相場じゃなく、自分の心に負けた」
第3章|実例②「慎重な主婦が陥った“安心”の罠」

50代・主婦・Bさんの話
Bさんはとても慎重な性格。
投資なんて怖い、と思っていました。
そんなBさんが投資を始めたのは、
知人からの一言。
「これは元本保証みたいなものだから」
いわゆる高利回りをうたう投資商品でした。
- 説明は難しい
- でも「みんなやってる」
- 担当者は感じがいい
不安はあったけど、
「プロが勧めているから」
と自分を納得させました。
結果、その商品は破綻。
お金だけでなく、
「自分は騙された」
という事実が、心に深い傷を残しました。
Bさんは言います。
「判断を他人に預けたのが、一番の失敗だった」
第4章|心理学者が教える「大失敗を避けるための考え方」
最後に、失敗しにくい人の思考をまとめます。
✔ 感情が動いたときほど、何もしない
✔ 「取り戻したい」と思ったら、一度離れる
✔ 損失は失敗ではなく、必要経費と考える
✔ 他人の成功話は、話半分で聞く
✔ 自分の心のクセを知る
投資は、
お金のゲームではなく、感情のゲームです。
おわりに|投資で一番大切なのは「自分を知ること」
投資で大失敗した人たちは、
決してバカでも、怠け者でもありません。
むしろ、真面目で、努力家で、責任感が強い人ほど、
心の罠にハマりやすい。
だからこそ、
「自分はどういうときに、冷静さを失うのか」
これを知ることが、
どんな投資ノウハウよりも価値があります。
この記事が、
あなたが大きな失敗を避けるための
小さなブレーキになれば幸いです。

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