塩分はどれくらいがちょうどいい?
摂りすぎ・控えすぎの落とし穴と、健康的な塩分との付き合い方
「塩分は控えめに」。
お医者さんや健康番組、あるいは家族からも、こんな言葉を耳にしたことがある人は多いでしょう。
確かに、塩分の摂りすぎは高血圧をはじめとする生活習慣病につながりやすく、健康上のリスクがあります。しかし、逆に塩分を極端に減らしすぎると「低ナトリウム血症」という危険な状態に陥ることもあります。
「じゃあ、結局どれくらいが正解なの?」
「塩は悪者なの? それとも必要なの?」
この記事では 塩分の役割、摂りすぎ・摂らなさすぎのリスク、適正量、摂り方の工夫 を、人間が書いたような温かく自然な文章で丁寧に解説します。
■ そもそもナトリウムって何をしているの?
食塩の主成分は「塩化ナトリウム(NaCl)」です。
そのうち「ナトリウム」が人の体で重要な働きを担っています。
◎ ナトリウムの主な役割
- 体内の水分バランスを保つ
細胞内外の水分量を調整し、むくみや脱水を防ぐ。 - 神経の伝達を助ける
筋肉を動かすときにもナトリウムが使われる。 - 血圧を維持する
適切な血圧を保つためにも必要不可欠。 - 胃酸の材料になる
塩酸(胃酸)をつくるためにもナトリウムは必要。
このように、ナトリウムは「摂らない」わけにはいかない栄養素です。
問題は “摂りすぎると負担が大きい” という点。
■ なぜ塩分は摂りすぎると健康に悪いのか?
塩分の摂りすぎは、日本人にとって非常に身近な問題です。特に日本食はしょうゆ・味噌・漬物などの発酵食品が多く、塩分量が自然と増えがちです。
◎ 塩分を摂りすぎると何が起こる?
- 血圧が上がりやすくなる
- 心臓や腎臓に負担がかかる
- むくみが出やすくなる
- 動脈硬化のリスクが上がる
血液中のナトリウムが多くなると、体は濃度を薄めるために水分を溜め込もうとします。その結果、血液量が増えて血圧が上がります。これが 高血圧のメカニズム の一つ。
高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれ、自覚症状がないまま心臓病や脳卒中につながることもあるため、注意が必要です。
■ 逆に、塩分を控えすぎると「低ナトリウム血症」に…
「塩分控えめ=健康」と考えて、極端に塩を減らしてしまう人も増えています。
しかし、塩分を減らしすぎると今度は 低ナトリウム血症 のリスクが高まります。
◎ 低ナトリウム血症とは?
血液中のナトリウム濃度が必要範囲を下回り、
頭痛・吐き気・倦怠感・集中力低下 などが起こる状態のことです。
ひどくなると、
- 意識障害
- けいれん
- 昏睡
といった命に関わる症状につながることもあります。
◎ なぜ起こる?
- 水だけの過剰補給(ランニング・サウナなどで要注意)
- 疾患による水分貯留
- 薬(利尿剤など)の影響
- 極端な塩分制限
- 発汗量が多いのに塩分を補給しない
意外な盲点ですが、健康志向で「1日6g以下!」と意識しすぎて、
実際には3g以下しか摂れていない人も少なくありません。
その状態で汗を大量にかくと、ナトリウム不足に陥りやすくなります。
■ じゃあ、塩分はどれくらい摂るのが理想?
◎ 厚生労働省の推奨量(目安)
- 男性:1日7.5g未満
- 女性:1日6.5g未満
世界的には「5g未満」を推奨する国も多いですが、日本は食文化の違いを考慮し、やや高めの基準になっています。
◎ しかし“ピッタリ○g”にこだわる必要はない
大切なのは 「摂りすぎず、控えすぎず」。
生活環境によって必要量は変わります。
◎ 例えば…
- スポーツをする人
→ 発汗量が多いので、塩分の追加補給が必要になることも。 - 高血圧の人
→ 減塩が効果的だが、極端に減らしすぎるのは危険。 - 高齢者
→ 食欲が落ちて塩分も不足しがち。 - 夏場に屋外で働く人
→ 水だけ飲むと低ナトリウム血症のリスクが高まる。

つまり「あなたの生活」に合わせて調整することが大切なのです。
■ 塩分を“適切に”摂る方法
ここでは日々の食事で実践できる方法を紹介します。
● 1. 「しょうゆ・味噌・タレ」はかけずに“つける”
味が濃いものは、直接かけるより“少量の皿に取ってつける”ほうが、
自然と塩分が減らせます。
● 2. 出汁・香味野菜・スパイスを活用する
塩分を過剰に増やさずに、満足感のある味わいを作れます。
- かつおだし
- 昆布茶
- 生姜
- 大葉
- にんにく
- レモン
- 酢
- コショウ
「味が薄い」ではなく「香りで満たす」イメージです。
● 3. 食品表示の「食塩相当量」を見る習慣を作る
市販の惣菜、カップ麺、加工食品には思った以上に塩分が含まれています。
● 4. 汗をかいたときは“水だけ”で補おうとしない
- 暑い日の外作業
- ランニング
- サウナ
- 熱中症対策
こうした場面では、
経口補水液・スポーツドリンク・塩タブレット
などを利用するのが安全です。
● 5. 自宅の“塩”の質を上げる
「良い調味料を使うと塩分はむしろ減らせる」というのはよくある話です。
- 天然塩(ミネラル豊富)
- 天日塩
- しょっぱいだけでなく“甘み”や“旨味”がある塩
少量で満足できるので、結果として塩の摂りすぎを防げます。
■ 「減塩」のメリットとデメリット
◎ 減塩のメリット
- 高血圧の改善
- むくみの軽減
- 心臓・腎臓の負担軽減
- だしや素材の味に敏感になる
- 加工食品の摂取が自然と減る傾向
減塩によって体が軽くなったと感じる人は多くいます。
◎ 減塩しすぎのデメリット
- 倦怠感
- 頭痛
- 集中力低下
- 食欲不振
- めまい
- 低ナトリウム血症のリスク上昇
特に「水を大量に飲む習慣がある人」「運動をよくする人」は要注意です。
■ 「塩分=悪」ではなく“調整できるツール”と考える
人の体は、ナトリウムが不足すると生命維持が難しくなります。
そう考えると、塩分は「悪者」どころか、人間の体にとって必要不可欠な要素。
ただし、摂りすぎると現代人の生活には負担が大きい。
だからこそ、
塩分は“コントロールするもの”
と考えるのがもっとも現実的で健康的です。
■ 実際の生活でどうバランスを取る?
ここからは、あなたの生活リズム別にアドバイスをまとめます。
● ① デスクワーク中心の人
- 汗をかきにくいので、過剰な塩分は高血圧の原因に。
- 外食が多い人は要注意。
- 味噌汁・漬物・ラーメンの汁などは量を意識的に少なく。
- 水分量は“喉が渇く前に少しずつ”。
● ② 運動習慣がある人
- 汗の量によって必要な塩分は増える。
- 運動前・運動中・運動後で電解質を補給。
- 水だけで補うとめまい・脱力感が出ることも。
● ③ 高齢者
- 食欲が落ちて塩分も不足しがち。
- ふらつき・低血圧ぎみの原因が“塩分不足”のこともある。
- かかりつけ医と相談しながら調整するのが安全。
● ④ 夏場に屋外で働く人
- 熱中症対策として塩分補給は必須。
- 経口補水液や塩飴の活用を。
■ 結論:塩分は「敵」ではなく、あなたの体を動かすパートナー
塩分は摂りすぎると不調を招くため悪者扱いされがちですが、
人が生きるうえで欠かせない栄養素です。
ポイントはただ一つ。
“あなたの生活に合った塩分バランスを見つけること。”
- 控えすぎ → 低ナトリウム血症のリスク
- 摂りすぎ → 高血圧・動脈硬化のリスク
どちらか一方に偏らず、自分にとっての「ちょうどいい」を見つける。
そのためには、日々の食事、運動量、生活環境を観察することが大切です。
「塩」は料理をおいしくするだけでなく、体の動きを支えてくれる存在です。
うまく付き合えば、あなたの健康はもっと安定し、毎日の生活が軽やかになります。


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