物価高騰対策として、2024年11月に「住民税非課税世帯への給付」が閣議決定されました。対象世帯に3万円、加えて18歳以下の子どもがいる世帯には子ども1人あたり2万円の上乗せが行われます。
政府の決定を受けて、それぞれの自治体が給付金のスケジュールを決め、すでに支給の申込受付を始めているところもあります。
非課税世帯となる年収の目安はいくら?
非課税世帯とは、住民税の「均等割」と「所得割」が非課税である世帯を指すことが一般的です(自治体によっては住民税均等割のみ課税世帯も対象になる場合もあります)。それでは、年収の目安はいくらぐらいなのでしょうか? 東京都23区での住民税非課税となる条件をもとに、いくつかの年収目安を挙げてみましょう。
(1)単身世帯で、アルバイトなどの給与年収だけのケース
配偶者/扶養親族がおらず、年間の合計所得金額が45万円以下では、住民税非課税にあたります。
・前年(1月から12月)の給与収入が98万4000円(月収:約8万2000円)で、他に収入がないAさんの場合
給与収入98万4000円-給与所得控除55万円=給与所得43万4000円
合計所得金額が45万円以下なので、3万円が給付される見込みです。
※2025年度の新入社員も対象!?
2025年に新卒として就職された方で、2023年のアルバイト収入が住民税非課税の基準を満たしていれば、給付対象となる可能性があります。ただし、以下の点にご注意ください。
(2)配偶者と子ども1人がいる世帯で、給与年収だけのケース
配偶者と子ども1人がいる世帯では「35万円×(本人・配偶者・扶養家族の合計人数)+31万円」よりも年間所得が少ないと、住民税非課税にあたります。
・前年(1月から12月)の給与収入が202万円(月収:約16万8000円)で、他に収入がないBさん(配偶者・子ども1人)の場合
給与収入202万円-給与所得控除68万6000円=給与所得133万4000円
Bさんの世帯では、35万円×(本人・配偶者・扶養家族の合計人数3人)+31万円=136万円以下なので、住民税非課税にあたります。子ども1人がいる世帯なので、給付金3万円に2万円が上乗せされて合計5万円が給付される見込みです。
(3)単身世帯で、老齢年金収入だけのケース
65歳以上で、老齢年金の収入だけの場合、アルバイトなどの給与年収だけのケースと同じく配偶者や扶養親族がおらず、年間の合計所得金額が45万円以下では、住民税非課税にあたります。
・前年(1月から12月)の老齢年金収入が153万6000円(月額:約12万8000円)で、他に収入がないCさんの場合
年金収入153万6000円-公的年金等控除110万円=雑所得43万6000円
合計所得金額が45万円以下なので、3万円が給付される見込みです。
以上の3つの例は、おおよその目安を表したものです。自治体によって非課税世帯となる目安の年収などは異なるため、詳しくはお住まいの自治体ホームページでご確認ください。
自治体独自の給付を行うところはある?
今回の3万円給付金のほかに、自治体独自で住民への給付を行うことを公表しているケースもあります。
(1)石川県金沢市
国からの3万円給付金の対象外となる、児童扶養手当を受けている低所得のひとり親世帯に対し、1世帯あたり3万円(児童1人当たり2万円加算)を3月中旬に支給する予定です。この他に、生活保護世帯や介護を要する高齢者世帯などにも、光熱費助成金として1万5000円を支給する予定です。
(2)長野県松川村
村民1人ずつに1万円分の商品券を、世帯主へ送付します。2025年3月1日から2025年6月30日まで、村内の商品券取扱店舗などで利用できます。
自治体独自の給付が行われるかは、自治体の広報(県の広報・市報など)によって発表されます。
まとめ
「住民税非課税世帯への給付」として3万円、そして対象となる子どもがいる世帯には子ども1人あたり2万円の上乗せを行うことが2024年11月に閣議決定されました。
国からの給付金の他に、自治体独自で住民への給付を行うことを公表しているところもあるので、住んでいる自治体の広報誌・ホームページをチェックしてみましょう。
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