結局なんの運動が一番消費カロリーが高いと思いますか?それはジャンプです。今回は興味深い体験談をもつ、愛媛大学大学院抗加齢医学講座教授で医師の伊賀瀬道也さんのお話を紹介させていただきたいと思います。
ゆるくジャンプするだけで-10kg
ゆるくジャンプするだけでマイナス10kgを達成した、愛媛大学大学院抗加齢医学講座教授で医師の伊賀瀬道也さん。
「もともと肥満体形で体質改善のために“ただ跳ぶだけ”を自分に課しました。最初は10回から、自分が跳べる範囲で2か月続けたところ、体重が2kg減り、その後は血圧も低下したのです。これはジャンプが血流を改善することで、毛細血管などを通して全身に酸素と栄養を届けるようになり、適度な頭の上下運動が血圧を上げる悪玉物質の分泌を抑制したためと考えられます」
最初は10回でもつらく感じるほどだった伊賀瀬さんだが、100回以上跳べるようになった頃にはみるみる効果が表れた。82kgあった体重は、1年間で10kgも減少。さらに、腹囲も5cm減らすことに成功したのである。
ゆるジャンプのやり方
姿勢…目線は前を向き、両手足の力を抜いて、背筋を伸ばしてまっすぐに立つ。
動作…その場で床から数cm浮く程度に、真上に軽く跳ぶだけでよい。
これを8秒間に16回、すなわち1秒間で2回跳ぶくらいのリズム感で16回繰り返すというものだ。

これを8セット行うのが理想ですが、回数はご自身の体力に合わせて増やしても構いません。音楽を聴きながら、リズムよく楽しんで跳ぶのがポイントです。
ゆるジャンプが注目されるのは、場所や時間を問わずにできる点にある。跳ぶだけなので、高価な器材を買う必要もなく、コスパも抜群というわけだ。
ゆるジャンプは女性にうれしい効果がいっぱい。運動によって脂肪を燃焼させることはもちろんですが、お腹や脚を引き締めたり、むくみの解消や姿勢の改善にも効果が期待できます。
※出典:女性セブン2025年1月2・9日号
というものです。ジャンプするだけで痩せるなんて最高ですね。簡単にだれでも行えます。そもそもジャンプがカラダにどのような影響を与えてくれるのでしょう。
ジャンプ動作を運動生理学の観点から解析
1. 筋肉への影響
ジャンプ動作では、主に以下の筋群が関与します。

- 大腿四頭筋(前もも):地面を蹴る際に主に働く
- ハムストリングス(裏もも):股関節を伸展させる
- 下腿三頭筋(ふくらはぎ):つま先で地面を蹴る
- 大臀筋(お尻):股関節の伸展をサポート
これらの筋群が爆発的な力を発揮するために「速筋線維(タイプⅡ線維)」が主に動員されます。速筋線維は高いパワーを発揮するものの、持久力には劣るため、繰り返しジャンプを行うと素早く疲労します。
2. 神経系への影響
ジャンプは「筋の動員パターンと神経系の協調」が重要です。特に以下の点が関与します。
- 運動単位の動員:爆発的な力を発揮するため、多くの運動単位が一度に動員される。
- 固有受容感覚:筋紡錘やゴルジ腱器官の働きにより、筋の伸張と収縮をスムーズに制御する。
- 反射の活用(ストレッチ・ショートニング・サイクル, SSC):着地時の筋の伸張を利用し、そのエネルギーを次のジャンプに活かす。
3. 心肺機能への影響
短時間のジャンプでは主に「無酸素性代謝(ATP-CP系)」がエネルギー供給の中心になります。しかし、連続してジャンプを続けると「解糖系(乳酸系)」も関与し、疲労物質(乳酸など)が蓄積します。
また、高強度のジャンプを繰り返すと心拍数や呼吸数が上がり、「有酸素系」も関与し始めます。

4. 骨や関節への影響
ジャンプは「骨への負荷(荷重刺激)」が大きく、骨密度を向上させる効果があります。特に若年期のジャンプトレーニングは骨の成長を促し、骨粗鬆症の予防にもつながります。
一方で、過度なジャンプは関節(特に膝や足首)への負担が大きく、前十字靭帯(ACL)損傷や足関節捻挫などのリスクもあります。

5. エネルギー代謝と脂肪燃焼
ジャンプ運動は高強度なため、消費エネルギーが大きく、短時間でも脂肪燃焼や基礎代謝の向上に貢献します。特に、HIIT(高強度インターバルトレーニング)のように短時間のジャンプを繰り返すことで、運動後もカロリー消費が続く「EPOC(運動後過剰酸素消費量)」の効果が得られます。
まとめ
ジャンプ動作は、筋肉・神経・心肺機能・骨・エネルギー代謝に幅広い影響を与えます。適切なフォームと適度な負荷を意識することで、筋力向上・神経系の活性化・骨密度向上・脂肪燃焼などのメリットを最大限に活かすことができます。
ジャンプって単純な動作ですが、恩恵がたくさんありますね。1点だけ気を付けていただきたいのが、無理しすぎて膝の関節を酷使し続けるのは気を付けてください。正しいフォームでおこないましょう。
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