過去何度も紹介させてもらっている「腸活」についての話です。腸活は医療界で世紀の大発見といわれるペニシリン並みにとんでもない発見といわれております。
皆さんも腸活という言葉は聞いたことある方多いと思います。しかし効果的な取り組みをできているでしょうか。腸内環境はお通じが出るだけでなく、奥深い世界です。
今回はその中でも「短鎖脂肪酸」にスポットを当てて紹介していきたいと思います。
そもそも短鎖脂肪酸とは何か?
ヒトの大腸内に棲む腸内細菌は、未消化のまま腸内に届く食物繊維やオリゴ糖などを発酵・分解します。その過程で作られるのが、短鎖脂肪酸です。
簡単にいうと、短鎖脂肪酸は腸内細菌の排泄物、人間でいう“うんち”や“おしっこ”と同じです。
短鎖脂肪酸は腸内細菌にとっては不要なものだが、ヒトの体にとっては非常に有益な働きをします。これこそが、人間が長らく腸内細菌と共生関係を保ち続けている理由です。
短鎖脂肪酸の働きは、専門家の間では四半世紀以上前から注目されていたそうです。
近年になって脚光を浴びるようになったのは、分析技術の発展によって、これまではわからなかった短鎖脂肪酸の作用機序や、その結果として発揮する健康効果が科学的に証明されてきたためです。
短鎖脂肪酸はあらゆる健康のベース
では、短鎖脂肪酸は体にどんなメリットをもたらしてくれるのか。
実は、短鎖脂肪酸が発揮する健康機能は1つにとどまらない。私たち人間の健康のベース全般を支えているといっても過言ではなく、これまでに研究報告されているものとして、
- 「便通改善」
- 「免疫機能の増強」
- 「肥満抑制」
- 「アレルギー抑制」
- 「持久力の向上」
などがあります。
そこで今回は、免疫機能と肥満抑制に注目して聞いてみよう。
●免疫機能の増強について

どんなふうに免疫に働くのか、その一例です。
人の腸内で産生される短鎖脂肪酸は、主に酢酸・プロピオン酸・酪酸(らくさん)の3種類だが、これらは腸のバリア機能を強化し、免疫細胞を活性化する働きがあります。
短鎖脂肪酸はとても小さい物質なので、腸内で作られると腸管の壁から吸収され、血液中に入り込みます。そして全身を巡って、さまざまな臓器や器官に利用されます。この際、ウイルスや細菌の侵入口となる目や鼻、口、気道の粘膜でも、防御反応を示せるよう免疫細胞に作用するのだ。
加えて、短鎖脂肪酸は体内に病原性のウイルスや細菌などが侵入するのを防ぐ抗体、免疫グロブリンA(IgA)の産生量も増やす。
IgAは抗原特異性が低く、さまざまな病原体に結合できるという特徴がある。そのため、IgAの産生量が増えれば、多様な感染症に打ち勝つ強い体を作ることにつながると期待されている。
このように、短鎖脂肪酸はヒトの免疫システムをパワーアップさせる重要な役割を果たしてくれるそうです。
●肥満抑制について

短鎖脂肪酸の1つ、酢酸には脂肪の燃焼を助けたり、蓄積を抑えたりする働きがあります。また、プロピオン酸は血糖値のコントロールや代謝に関わっています。そのため、肥満や内臓脂肪の蓄積によるメタボリックシンドロームを予防し、さまざまな生活習慣病も防ぐことが期待できます。
短鎖脂肪酸を増やすには?
では、どうすれば短鎖脂肪酸を腸内で作ることがでしょうか。
手っ取り早い方法は、食事で摂る食物繊維やオリゴ糖の“種類”と“量“を増やすことです。
食物繊維やオリゴ糖を含む食材を食事で摂ることで、腸内細菌にエサをいきわたらせ、短鎖脂肪酸をたくさん作らせることができます。
ちなみに、短鎖脂肪酸のうち、日本人の腸内で最も量が多いのは酢酸であり、お酢の成分でもあります。では、お酢を飲めばいいのかというと、小腸で吸収されてしまい、大腸まで届かないため、十分な効果が得られないケースもあるそうです。またプロピオン酸や酪酸はにおいが強いため、直接口から摂取するのは現実的に難しいようです。
さまざまな菌の好みに対応できるように、多様な食物繊維やオリゴ糖を摂ることが重要です。
●短鎖脂肪酸を増やす食物繊維・オリゴ糖
食物繊維には水溶性と不溶性があるが、水溶性の中にもいくつか種類がある。
水溶性食物繊維
- タマネギやゴボウに多く含まれる「イヌリン」
- きのこや大麦、オーツ麦に多い「β-グルカン」
- マメ科の植物に多い「ガラクトマンナン」



オリゴ糖
- タマネギやゴボウ、トマト、バナナなどに含まれる「フラクトオリゴ糖」
- 牛乳に含まれる「ガラクトオリゴ糖」
- 甜菜(ビート)などに含まれる「ビートオリゴ糖」
- ハチミツや味噌などに含まれる「イソマルトオリゴ糖」




これらの多様な食物繊維やオリゴ糖を摂って、自分のおなかの中に棲んでいる腸内細菌を活発に活動させるためには、偏りなく食品を選ぶことが大切になります。
栄養バランスを考えた理想的な食事に「1日30品目」を目指す食事法をきいたことありますか?私の実家でも幼少期、母がそんな話をしていたことを思い出しました。30品目バランスよく、は難しいかもしれませんが、お昼ご飯におにぎりのみ、だったり朝はコーヒーのみ、などという方は良く聞きます。私も同じような感じの時多々あります。
30品目食べよう、という方が簡単に取り組めそうで、個人的には良いのかなとおもっております。
そして腸内細菌の種類や数は多いほうが、さまざまな環境の変化にも対応しやすいです。
実は、腸内細菌の種類やバランスは、健康な人であっても個人差があるそうです。
ヒトの腸内には1人あたりおよそ40兆個、約1000種類もの腸内細菌が棲んでおり、そのうち共通する腸内細菌は160種類程度といわれています。長期的な食習慣や生活習慣によって棲み着く腸内細菌が変わるため、個人差が大きいんです。
加えて、腸内細菌ごとに好むエサ(食物繊維やオリゴ糖)も異なります。
腸内細菌は好き嫌いが激しいです。嫌いなエサを一生懸命与えても使うことができず、短鎖脂肪酸を作ってくれないそうです。とてつもなく気難しいうヤツですね(笑)
そのため、自分の腸内にいる腸内細菌の種類と割合を、一度調べてみることをおすすめします。それが今注目の「腸内フローラ検査」です。
一般向けにネット販売されているほか、一部の医療機関や薬局などで検査キットを購入して自宅で検査することもできます。費用は保険適用外で、1万~2万円前後です。
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腸内フローラとは、腸内に棲む腸内細菌の群集のこと。便を採取して分析することで、腸内フローラの状況がわかります。自分の腸内にいる主な腸内細菌の種類がわかれば、それらの好む食物繊維を含む食品を効率的に摂ることができる、という仕組みです。
昨今では、腸内フローラを調べて自分に合った食物繊維やオリゴ糖が配合された食事を選択するサービスも登場しています。
自分の腸内にすでにいる腸内細菌を知って、彼らのエサを選択して届けると、効率よく短鎖脂肪酸を増やすことにつながります。
お通じの変化を観察しながら調整
こうした対策をとっていくと、体も変わる。最もわかりやすい変化は、お通じです。
不溶性食物繊維には便の水分量を増加させる効果があり、また水溶性食物繊維は腸内細菌により代謝されて短鎖脂肪酸が産生され、それらが便を押し出す蠕動(ぜんどう)運動を活性化して、便通を改善する効果があります。
つまり、食物繊維を十分に摂取し、短鎖脂肪酸が腸内で安定的に産生されていれば、お通じは順調になりやすいはずです。
食事を変えたらまずは2週間、様子を見て。お通じがよくなっていれば、その食品を腸内細菌が好んで食べ、短鎖脂肪酸を順調に作っている可能性が高いそうです。
ちなみに良い便の条件は
- 色→黄色系に近い色
- 太さ→直径2㎝以上
- 形→水に浮き、ある程度形作られる硬さ
といわれております。セルフチェックしてみてください。
一方で、食べ慣れない食品を摂る際には注意点もあります。
とくにオリゴ糖は、食品素材としてシロップなども販売されていますが、難消化性の糖質で、胃や小腸で消化吸収されずに大腸まで届くため、一度に大量に摂取すると、おなかがゆるくなる可能性があります。適切な量を摂りながら継続することが何より大事です。
短鎖脂肪酸で病気知らずの体に
短鎖脂肪酸を増やすことは「将来の病気を未然に防ぎ、健康寿命を延ばすカギとなる」といわれております。
そのために今日からでも実践できることは、多様な食品から多様な食物繊維やオリゴ糖を摂って、短鎖脂肪酸を増やすこと。食生活によって腸の状態は日々変わっていきます。ぜひ試してみてください。


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