【暴落!?】日経平均過去最高値の裏側で下落した株価をみてみよう。

経済

はじめに

2025年10月30日、日経平均株価(以下「日経平均」)が好調で上昇ムードの中、なぜか個別銘柄では大きく値を下げる会社があります。これは「市場全体と個別企業の状況」が必ずしも同期していない証と言えます。今回は、10月30日に特に下落が目立った5社を取り上げて、下落要因・配当状況・投資としての考え方を一つずつ見ていきましょう。


1.J‑オイルミルズ(2613)

下落率トップ(‐24.5%)
配当:1株あたり 70円(予想)/配当利回り 約3.3%
下落要因
油脂・食用油原料のコスト高、さらには消費者の健康志向変化で「油を控える」動きが出ていることが背景にあります。また為替や原料輸入コストの影響も無視できません。市場全体の上昇とは裏腹に、「コスト構造が逆風」の状態です。
投資としての検討
配当利回り3%台とまずまずの水準で、かつ食品関連ということでディフェンシブ性も多少期待できます。ただし、「下落した=底打ち」というわけではなく、原料価格の動向・利益率の改善が確認できるまで慎重に見たいです。短期ではリスクがあり、中長期で「体力ある食品銘柄」として押さえておく選択肢になり得ます。




2.理研ビタミン(4526)

下落率 -17.8%
配当:1株あたり 110円(予想)/配当利回り 約3.9%
下落要因
ビタミン・医薬原料の輸出依存が高い中で、グローバルな需要鈍化・為替や原料価格の変動が影響しています。また研究開発投資などが利益率を圧迫した可能性も。
投資としての検討
配当水準は良好で、比較的魅力的に見えます。ただ、業績回復には時間がかかる可能性があり、「今すぐ買い!」と断言できる状況ではありません。将来の成長ストーリーに賭けられる方には通用しますが、安定重視の方には慎重なスタンスが良さそうです。


3.大井電気(6822)

下落率 -12.5%
配当:1株あたり 70円(予想)/配当利回り 約1.7%
下落要因
通信インフラ・情報通信機器を手がける中で、特需の一巡感や需要の転換が意識されているようです。市場全体は上向いていても、個別には需給の谷間に入った可能性があります。
投資としての検討
配当利回りが低めなので「配当目的」で持つにはやや魅力薄。むしろ「割安になった銘柄を仕込む」「中長期で復活を狙う」といった視点が必要です。ただし、財務や事業モデルをしっかり見極めた上でないとリスクも伴います。


4.日本航空電子工業(6807)

下落率 -11.6%
配当:1株あたり 60円(予想)/配当利回り 約2.4%
下落要因
電子部品、自動車向け半導体の発注減少という逆風を受けています。グローバルに部品需要の変動が大きく、好調な日経平均の風を受けにくい分野です。
投資としての検討
配当利回り2%台と控えめですが、「電子部品循環の復調」に賭けるなら検討価値があります。リスクを取って中期的な回復を狙うケースですが、安全第一で少額から様子をみるのが現実的です。


5.パナソニック ホールディングス(6752)

下落率 -11.0%
配当:1株あたり 48円(実績)/配当利回り 約2.6%(2025年3月期実績)
下落要因
EV用途電池事業や家電事業の競争激化、そして構造改革費用の積み増しが市場の警戒材料となりました。日経平均には追随しづらい「内包課題」を抱えています。
投資としての検討
多角的な事業ポートフォリオを持つ強みはありますが、いまは「回復の芽」が見えるまで時間がかかる可能性あり。配当利回りも2%台なので、配当目的なら物足りなさも。でも、長期投資視点で「構造改革が奏功すれば大きなリターンも」と考える方には面白い銘柄です。


総括:日経平均好調でも“個別の陰り”を探る

日経平均が上がっているから、全ての銘柄が上がるわけではありません。今回の5社はいずれも「個別に逆風あり」「配当がそこそこ(ただし利回り・魅力度はそれぞれ)」「回復に時間がかかる可能性あり」という共通点があります。
投資を考えるなら、以下の点を意識すると良いでしょう:

  • 事業内容・業績の裏側を見る:市場全体の追い風ではなく、企業固有の向かい風があるかどうか。
  • 配当だけで判断しない:配当利回りが高くても、利益の持続性がなければ意味が薄い。
  • 時間軸を明確にする:「今すぐ上がる」「中長期で持つ」どちらかを自分の投資方針に合せる。
  • 分散とリスク管理:好調な銘柄+逆風銘柄を組み合わせてポートフォリオを作るのも一つ。



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