累進課税制度とは、所得が高くなるほど税率が高くなる仕組みの税制です。これは、日本を含む多くの国で採用されている公平な税負担を目指す方法です。
具体的にはどういう仕組み?

所得金額に応じて、段階的に異なる税率が適用されます。日本の所得税を例にすると、2025年現在の税率は以下のようになっています(一部簡略化):
所得金額(課税所得) | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
〜195万円 | 5% | 0円 |
195万円〜330万円 | 10% | 97,500円 |
330万円〜695万円 | 20% | 427,500円 |
695万円〜900万円 | 23% | 636,000円 |
900万円〜1,800万円 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円超 | 40〜45% | 最大4,796,000円 |
つまり、全額が一律の税率で課税されるわけではなく、段階ごとに異なる税率が適用されます。

分かりにくいかと思いますので、「独身・30歳・年収700万円」を例にして計算してみたいと思います。
ステップ1:課税所得の計算
所得税は「課税所得」に対してかかる税金です。年収そのままではなく、必要経費的な控除を差し引いて課税されます。
※年収700万円だからといって上記表にある700万円×23%=161万円。
手残り539万円(44,9万円/月)
というわけではありません。

1. 給与所得控除
これはサラリーマンの「経費」にあたる控除です。
年収700万円の場合の給与所得控除は:
700万円 × 10% + 110万円 = 180万円
したがって、
給与所得:700万円 − 180万円 = 520万円
2. 基礎控除
一律 48万円
3. 社会保険料控除(概算)
健康保険・厚生年金などの社会保険料は、年収700万円ならおよそ 100万円前後。
ステップ2:課税所得の合計
給与所得 520万円
− 社会保険料 100万円
− 基礎控除 48万円
👉 課税所得:約372万円
ステップ3:所得税の計算(速算表)
課税所得372万円の場合、所得税率は 20%(控除額 42万7,500円)
372万円 × 20% − 42万7,500円 = 約31万円
※上記表で計算してます。
結論:年収700万円・独身・30歳の所得税
おおよそ 31万円前後 になります(住民税などは別途)。

約530万円〜540万円(月ベースだと約44万〜45万円)
以上になります。

所得税、住民税、社会保険料の3つを差し引いた金額が手取りの年収ということです。家族構成や生活状況によって控除額が増えて手残りのお金を増やすことができます。
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