ダイエッター、アスリートの陥りがちな盲点

近年、精製さらた白い砂糖はカラダに悪いもの、とされてきました。そして砂糖を嫌って、「人工甘味料」を使う人たちがそれだけ増えているということでしょう。
ここで質問です。
人工甘味料を最も多く摂取している人たちはどんな人たちだと思いますか?
答えはダイエットをしている人、アスリートたちです。
多くのダイエッター、アスリートは人工甘味料の使われたプロテイン、エナジーバー、ダイエット飲料、ゼリー飲料などを好んでとっています。
また、これらの人は砂糖を嫌って料理に天然甘味料を使うことも多いと思います。
天然調味料の中でもよく使われるのはエリスリトール、キシリトールなどの糖アルコール。
糖アルコールとは?
じつは、いまこの糖アルコールが甘味界のスター的存在なのです。
●糖アルコール…天然甘味料の一種で、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、ソルビトールなどがあります。

キシリトールはガムや歯磨きに配合されているし、エリスリトールは最近人気のノンカロリー甘味料で、サラヤのラカントにも配合されているものです。
糖アルコールは体内で消化吸収されない低カロリータイプとノンカロリータイプがあり、ノンカロリータイプはエリスリトールがほとんどです。
糖アルコールは安全?
甘さの度合いは、キシリトールは砂糖とほぼ同等、他のものは砂糖と比べて40~80%の甘みです。
甘みが低いのは糖アルコールの欠点でもありますが、砂糖を減らし、甘みを抑えた食品に利用されます。またその甘みはおおむねクセがなく、人工甘味料のような後味の悪さもありません。
砂糖の欠点といわれる甘みが強い、寒天やチョコレートの表面に結晶化が起きる、虫歯の原因なども糖アルコールにはありません。
人工甘味料は敬遠するけれど、キシリトールやエリスリトールには抵抗がないという人も多いと思います。
とくにエリスリトールは食べ物や飲み物に広く使用され、エリスリトール」を使ったダイエットお菓子のレシピもネットでたくさん見かけるし、レシピ集にも使われています。
エリスリトールはブドウ糖から微生物を使って作られるので、安価で大量に作ることができるのです。
さらに「糖アルコール」が人気なのは、これまで安全性が高いといわれてきたからです。
特に「キシリトール」や「エリスリトール」は、とりすぎると一時的な下痢を起こす以外には、目立った危険性の報告がなく、なおかつ「食経験」があるということから安全性が高いといわれてきました。
ところが近年、少々風向きが変わってきています。
2023年、イギリスの医学雑誌『ネイチャーメディシン』が、「エリスリトール」が血栓を作り、心臓発作や脳卒中などのリスクを上げるという記事を掲載したのです。
血栓を作り「心臓発作」「脳卒中」のリスクを上げる
この記事を受けて、日本の薬学会の機関誌『ファルマシア』もエリスリトールの安全性についての記事を掲載。
『ネイチャーメディシン』で発表された調査をふまえて行われた2つの大規模な調査を紹介し、「エリスリトール」が脳卒中や心血管リスクの増大に関わるとしています。
エリスリトールは発酵食品や一部果物に含まれる微量の甘味成分ですが、「甘味料」としてのエリスリトールは果物などと比べると1000倍もの濃度があると見積もられ、吸収速度も1000倍速いと言われています。
「甘味料」として摂取した場合、血中濃度が上昇し、2~4日もの間、血栓のリスクが高まった状態が続くというのです。
「天然だから大丈夫」というけれど、天然の果物や野菜としてとった場合と、成分だけを抽出・濃縮したものでは、話がまるで違います。
「天然だから大丈夫」は本当なのか?
たとえば100%の純クエン酸をとるのと、レモンに入っているクエン酸をとるのでは、体内に入ってからの消化吸収が全然違います。
レモンには「ビタミン」も入っているし、ほかの「酸味料」「食物繊維」「糖」などいろいろな成分が入っていて、ゆえにゆっくりと消化吸収されるわけです。

たしかに私たちは、果物に含まれる「エリスリトール」については、食経験があります。
しかし、果物の1000倍もの濃度の「エリスリトール」の食経験はありません。
以前の記事でも述べたように、果物や野菜から甘味成分を取り出すときは、化学処理、酵素処理などを施して、甘味度を強くし、なおかつ安定した化合物を作り上げます。
「エリスリトール」だけが問題というわけではありませんが、「天然甘味料」「糖アルコール」だから安心とはいえないと思います。
これらの甘味料は低糖質で便利です。
しかし当たり前ですが「砂糖」ではないわけです。甘みを持つけれど、砂糖とは「甘さの質」も「後味」も違う、似て非なるものです。
「質のいい甘み」「質の悪い甘み」がある
私はよく「質の悪い甘み」「質のいい甘み」という言い方をしますが、砂糖を「質のいい甘み」としたら、砂糖の代替品である人工甘味料・天然甘味料は、「質の悪い甘み」ではないかなと思います。
人工甘味料、天然甘味料は1種類で使われることはあまりありません。それぞれのデメリットをマスキングするために、何種類かをかけ合わせて使われることが多いのです。
でも、どれだけ上手にかけ合わせて使っても、やはり「砂糖」にはなれません。
砂糖の「純粋な甘さ」こそが万人の好むおいしさだと私は考えています。
ノンカロリーだからといって単純に低糖質の甘味料に置き換えても、「砂糖の独特の物性」がもたらすおいしさにはかないません。
代替物を使うより、砂糖を上手に使っておいしいものを作ったほうがよほどいい。少なくとも私はそう信じています。
砂糖は「使い方次第」なのです。
まとめ
砂糖、糖アルコール、人工甘味料、…混乱してきたので、最後にまとめてみました。


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