砂糖の代用品として「人工甘味料」は使われるが…
人工甘味料はカロリーや糖質を低く抑えるために大変便利な存在で、糖質オフスイーツのみならず、普通のお菓子や菓子パン、ヨーグルト、プロテイン、漬物、清涼飲料水、その他の加工食品にごくごく当たり前に使われる時代になっています。
しかし、この人工甘味料はいったいどんなものなのでしょうか。
まず「甘味料」には、高甘味の「人工甘味料」と「天然系の甘味料」があります。
人工甘味料は化学合成によって作られる甘味料、天然系の甘味料は植物など天然に存在する甘味料です。
砂糖だけでなく、「甘草」「ラカンカ」「ステビア」や「糖アルコール」などがあります。
このうち添加物として指定されているものには「甘草」と「ステビア」などがあります。
「人工甘味料」はさまざまな種類があるのですが、現在日本で清涼飲料水やお菓子に広く使われているのは「アスパルテーム」「スクラロース」「アセスルファムK」です。
これはもう「人工甘味料の3大トリオ」といっていいほど、メジャーな存在となっています。
この3つがそれぞれどんなものか見ていきましょう。
「人工甘味料の3大トリオ」の正体は?
アスパルテーム
「アスパラギン酸」と「フェニルアラニン」という遺伝子組み換え技術で作られる2つのアミノ酸を結合させて作ります。砂糖の200倍の甘さがあります。
スクラロース
砂糖を化学的に塩素ガスと反応させて作ります。こちらは砂糖の600倍もの甘さがあります。砂糖に近い甘みが特徴です。
アセスルファムK
酢酸由来の物質と酸性洗浄剤などに利用される「スルファミン酸」を反応させ、化学反応させて作られます。こちらも砂糖の200倍もの甘さがあります。甘さのほかに、味をととのえる効果もあります。
ちなみに「低糖質ショートケーキ」に使われていた「アドバンテーム」は「アスパルテーム」から作られる人工甘味料で、なんと砂糖の約3万倍もの甘さを持つとされています。

人工甘味料といえば、私と同じ昭和を知る人間は「サッカリン」を思い起こすかもしれません。「サッカリン」は発がん性が取りざたされたことから、今では使われるのは一部です。
現在はほとんどが「アスパルテーム」「スクラロース」「アセスルファムK」の3大トリオに取って代わられています。
「人工甘味料」は非常に強い甘みを持ち、低カロリー
いいことずくめのようですが、「デメリット」も大きく分けて2つあるのです。

【1】「砂糖とは甘みの質が違う」
ひとつは「砂糖とは甘みの質が違う」ということです。
甘みに少々癖があったり、苦みのある後味が舌に残ったりします。「人工甘味料の後味が苦手」という声はよく聞くところです。
私は食べればどんな甘味料が使われているか、味でわかってしまうのですが、正直言って低糖質に使われる人工甘味料も「甘草」「ステビア」の天然由来の高甘味料も好きではありません。
【2】多くの人が「人工甘味料」に不安を感じている
私は「人工甘味料は安全ですか?」という質問を非常によく受けます。それだけ多くの人が「人工甘味料」に不安を感じているのだと思います。
「人工甘味料」についてだけではないのですが、「安全だ」という学者もいれば、「危険だ」という学者もいます。
私自身は、白と黒で「グレー」であれば、とらないことにしています。
人工甘味料のみならず、すべての添加物は、ネズミなどを使った「安全性試験」を経て、指定(認可)されます。
「厚労省が厳しい検査をして認可したものは安全だろう」と思うかもしれませんが、指定されたあとから取り消しになる添加物など、ざらにあります。
添加物は「認可」と「削除(禁止)」の歴史なのです。
人工甘味料では「チクロ」と「ズルチン」が使用禁止になった例があります。
「チクロ」は1956年に指定されたものの、発がん性が疑われて1969年に指定取り消しになっています。先ほどの「サッカリン」同様、記憶にある方もいらっしゃるでしょう。
天然系の高甘味添加物には「甘草」と「ステビア」があります。食品加工においては天然のまま使われるのではなく、酵素処理などで甘味度を上げた化合物が使用されます。
ちなみに過去、「甘草」に化学処理をした「グリチルリチン酸(三)ナトリウム」は禁止になりました。
つまり天然だから安全というわけでは決してないのです。
10年20年で「100%安全」と断言していいのか

1983年…「アスパルテーム」
1999年…「スクラロース」
2000年…「アセスルファムK」
2014年…「アドバンテーム」
これらの添加物を人間が食べ続けて本当に安全かどうか、それを検証するためには一定の「時間」が必要です。

そしてそれは「3世代・100年」ぐらいは必要だという意見もあります。
添加物が「認可」と「削除」の歴史だと考えると、10年20年で「100%安全」とは断言できない、まだまだ時間が足りないと、私は思います。
もちろん今、世に出ている人工甘味料の安全性は十分で、100年後も使われているかもしれません。
しかし、それは今はわからないということです。
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